
中国広東省で、蚊を媒介とする感染症「チクングニア熱」が流行しており、韓国の防疫当局は海外旅行者に対し注意を呼びかけている。チクングニア熱は致死率こそ低いものの、重症化すると心筋炎や脳神経障害、髄膜炎など深刻な健康被害につながる可能性がある。
韓国疾病管理庁が8月15日に発表した感染症発生動向によると、8月第1週の広東省での新規患者数は2892人に達し、2025年の累計感染者数は7716人に上った。特に佛山市順徳区で多くの感染者が報告されており、広州市、深圳市、中山市でも発症例が確認されている。佛山市は、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)の発生源となった地域としても知られる。
チクングニア熱は治療薬やワクチンは存在せず、症状に応じた対症療法が施される。これまでのところ重症例の報告はないが、感染者の66.9%は15歳〜64歳の成人、19.5%は65歳以上であった。
韓国内ではチクングニア熱はすべて海外からの輸入症例だ。2013年に初の患者が報告されて以降、2025年7月までに71人が感染しており、感染地域は主にタイ、インド、インドネシアなど東南アジア諸国。
疾病管理庁は、感染流行地域を訪れる際にはモスキート対策を徹底するよう呼びかけている。渡航前には疾病管理庁の「海外感染症NOW」ホームページで感染症発生状況と注意事項を確認し、モスキート忌避製品の使用や明るい色の長袖・長ズボンを着用することが推奨されている。
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