中国共産党がロシアのプーチン大統領を「英雄だ」と描いたドキュメンタリーを制作し、官僚に思想教育を施してきたという。大学ではウクライナ侵攻の責任が米国と北大西洋条約機構(NATO)にあるとする内容の特別講演を相次いで開設し、学生たちに誤った知識をすり込んでいることが明らかになった。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、中国共産党は全国の幹部を対象に「歴史的虚無主義とソ連の崩壊」というタイトルの101分のドキュメンタリー映画を視聴させ、討論するという内部行事を進めている。
このドキュメンタリーは昨年制作され、ウクライナ侵攻について直接言及はしていないが、ロシアが旧ソ連圏から離れていった隣国を憂慮するのは正当だと主張している。プーチン氏を「偉大な戦時指導者」とし、スターリンと同様の地位に持ち上げ、ロシア人の愛国心と誇りを蘇らせた人物――と絶賛している。
また、西側の自由主義に陥ったゴルバチョフ元露大統領によってソ連が崩壊したという点を忘れず、中国はロシアを教訓にしなければならない、という内容も盛り込んでいる。
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