
中国製のヒューマノイドロボットが踊り、ボクシングを披露すると、世界最大の家電・IT展示会「CES」の会場は一気に熱気を帯びた。スマートフォンをかざしてその様子を撮影する観客が歓声と拍手を送り、まるでコンサート会場のようだった。主役は間違いなくロボットであり、なかでも圧倒的な数で押し寄せた中国製ロボット群が観客に衝撃と未来への期待を同時に与えた。
インターネット、デジタルに続く「フィジカルAI時代」の幕開けと位置付けられる今回のCES。その中心には中国がいた。人工知能(AI)覇権をめぐるアメリカのけん制にもかかわらず、中国はラスベガスという“米国の本拠地”でロボット技術力を余すところなく披露した。展示会そのものが「中国版CES」だったと形容されるほどだ。
中国の家電企業もプレミアム製品を並べて物量攻勢をかけた。TCLはミニLEDテレビを、ハイセンスは4色マイクロLEDテレビを出展。ロボロックが披露した脚付きロボット掃除機「サロス・ローバー」は階段を上って掃除をこなす。スマートグラス分野では、米メタやアップルと並ぶほどの競争力を見せ、米ビッグテックを脅かしていた。
だが同時に、CES2026は韓国が入り込む余地を示す場でもあった。中国製ロボットはカンフーを披露するだけで「経済的な実用性には乏しい」との指摘も出た。精密作業に必要な指の関節表現力に欠けるなど、フィジカルAIに適したロボット像とは何か、考えさせられる内容だった。
韓国の現地関係者は「羨ましい」と本音を漏らした。中国では国家主導でロボット分野が大規模に育成され、企業は技術開発に専念できる。ロボット導入企業への補助金もあり、販路の心配が少ない。すでにこの分野の競争は「企業間」から「国家間」へと移行しているという。
一方、韓国では事情が異なる。産業構造は急速に変化しているが、規制や基準は旧来のままで、新しい技術や製品の認証をどこでどう受ければよいか分からない。代表的なフィジカルAIの応用である自動運転でも、韓国は規制に阻まれ実証環境の整備が困難だ。アメリカや中国が膨大な走行データをほぼ無制限に収集できているのとは対照的だ。
高い水準の工場自動化やグローバル生産拠点を有するにもかかわらず、韓国のフィジカルAI技術は後れを取っている。そんな中で、現代自動車グループの「アトラス」やLG電子の家庭用ロボット「クロイド」が登場したのは、まさに“逆境の中の奇跡”とも言える。
国別・企業別のフィジカルAI競争は、CES2026を起点にさらに加速していくだろう。その成果は来年のCES2027で明確に現れるはずだ。韓国はそこで、どの水準の技術を世界に示すことができるのだろうか――。【news1 パク・ギホ記者】
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