還暦を迎えた韓国ラーメン市場で、これまで数多くの新製品が発売された。
しかし、すべてが成功したわけではない。30年以上売れ続けるロングセラー商品もあるが、発売3年以内に生産中止となった製品も多い。
几帳面な消費者は口に合わなければ再び購入しない。
この60年間、韓国ラーメン市場シェア1位の製品がたった3つしかない、というのもこの理由からだ。その3つとは三養(サミャン)食品の「三養ラーメン」、農心(ノンシム)の「安城湯麺(アンソンタンメン)」と「辛(シン)ラーメン」だ。
◇黄金期は1980年代
1963年に国内で初めて発売された三養ラーメンは、1986年まで20年以上、不動の1位だった。
後発の農心が1983年に発売した安城湯麺で追撃に乗り出し、発売4年目の1987年、安城湯麺は初めて販売個数1位に躍り出た。
だが、長続きせず、1991年には辛さの人気に支えられた辛ラーメンに1位のバトンを渡した。
辛ラーメンは、変化する消費者の好みと市場トレンドを反映しながら30年以上、トップの座を守り続けている。
農心は2011年、辛ラーメンに牛骨スープを加えたプレミアム製品「辛ラーメンブラック」を発売した。2014年には辛ラーメンのパッケージ替えとともに、スープの味と麺の食感も改良した。2019年には麺を油で揚げていない「辛ラーメン乾麺」、2021年にはスープのない「辛ラーメン炒め麺」など、さまざまな商品を投入した。
農心関係者は「辛ラーメンが1986年に発売した味にとどまっていたら、30年以上も支持されなかっただろう」と分析している。
1980年代は韓国ラーメン市場の黄金期と呼ばれる。
八道ビビン麺(84年)、チャパゲティ(1984年)、辛ラーメン(1986年)、トシラク(1986年)、ジンラーメン(1988年)など、今も売り上げの上位に名を連ねるヒット商品の大半が、この時期に発売されたからだ。
(つづく)
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