韓国のコンビニ大手「GS25」が複合商業施設「アンニョン仁寺洞(インサドン)」内にスマート技術を導入した店舗「グラウンドブルー49」をオープンさせた。
会社側は、この体験スペースに客を引き込み、さらに地理的特性を活かして外国人観光客を呼び込みたい考え。
開店当日は大雨にもかかわらず、何人かの客が店舗を訪れていた。店はナイントゥリーホテルと直結しており、宿泊客が簡単に訪れることができる。実際、客の多くは外国人観光客だった。
会社が仁寺洞を選んだ理由もそこにある。ホテルの外国人宿泊客の割合は過半数を超えており、周辺商圏でも外国人の割合が約15%を占めている。関係者は仁寺洞について「外国人観光客が常に訪れ、売り上げも多い地域だ」と語った。聖水洞(ソンスドン)などの「ホットプレイス」は短期間で流行が終わることが多いと関係者は説明している。
店内で最も目を引くのはリテールテック体験ゾーンだ。リテールテックとは、ロボットや人工知能などの先端技術を小売店に導入することを指す。この店舗では、ロボットが作るピザ、アイスクリーム、ラテアートなどを体験することができる。
関係者は「ロボットがラテアートのチャンピオンの作品をそのまま再現できる」と説明した。客がデザインを選択し、決済を終えると1分もしないうちにラテアートが完成した。このロボットは約5種類のラテアートを作ることが出来る。
「ゴピザ」と提携したピザロボットは、冷蔵庫から材料を取り出してオーブンに入れ、完成したピザを箱に入れて客に提供する。現在は3種類のピザしか作れないが、今後研究を進め、さまざまなピザやスパゲッティなどのサイドメニューも発売する予定だと担当者は説明する。
店を訪れた高齢の客は、ピザの価格を尋ね、機械から目を離さないなどの関心を示していた。また、保護者と一緒に来た子どもは、アイスクリームロボットに興味津々だった。
店には外国人観光客向けのK-フード体験スペースも設置された。外国人観光客の購買データに基づき、韓国伝統菓子「薬菓」やインスタントラーメン「チャパゲティ」など、外国人観光客に人気の商品を厳選した。関係者は、人気商品を消費者の目につきやすい場所に配置し、簡単に購入できるようにしたと説明している。最近、SNSで人気を集めたバナナ牛乳ラテが簡単に作れるように、バナナ牛乳とコーヒーを一緒に陳列した。
最も人気のあるラーメンは、専用の陳列棚が設けられた。辛さの度合いに応じて商品を配置し、即席ラーメン調理器具も設置。外国人が辛さの程度を簡単に確認し、ラーメンを購入できるようにしている。
さらに「グラウンドブルー49」は単なる体験型店舗ではなく、商用化のためのテスト店舗の役割も果たしている。
店舗内に設置された小型の綿菓子機は、小規模店舗向けに試験的に開発された製品である。会社関係者は「この店舗で紹介されたサービスの反応が良ければ、ビジネス性などを考慮し、他の店舗にも展開する計画がある」と説明した。
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