
韓国IT大手ネイバーが、検索中心だった従来型のショッピング体験から一歩進み、「見ているうちに思わず買いたくなる」スタイルの“発見型ショッピング”戦略を加速させている。ユーザーがSNSやブログを閲覧中に商品に出会い、そのまま購入につながる導線づくりを進めている。
ネイバーは今月1日から新しいアフィリエイト(成果報酬型)マーケティングソリューション「ショッピングコネクト」のベータテストを開始した。正式サービスは7月に予定されている。
「ショッピングコネクト」は、ネイバーのクリエイター提携プラットフォーム「ブランドコネクト」内の新機能で、クリエイターが選んだ商品を紹介することで、販売者と収益をシェアできる仕組み。
クリエイターはネイバーブログ、YouTube、InstagramなどのSNSに使用レビューを投稿し、投稿内に設置したリンクによって商品が購入されると、売り上げに応じた報酬を受け取れる。
販売者側は、スマートストアに登録した商品をショッピングコネクトに掲載し、興味を持ったクリエイターに自由に広報を任せられる。報酬率は販売者が自ら設定可能で、ネイバーは4月中、クリエイターへの3%追加報酬を提供中だ。
実際の売り上げとしてカウントされるのは、リンクをクリックしてから24時間以内に商品を購入、あるいはカートに追加またはプレゼント設定をして、その後7日以内に購入されたケースに限られる。
特筆すべきは、一般的なアフィリエイトのように一律の取り扱い商品ではなく、販売者が自社モデルや商品特性に応じて提携商品を自由に構成できる点だ。
現在、ブランドコネクトには1万2000人のクリエイターと約2400件の広告キャンペーンが登録されており、2024年だけでも2万件のコラボを通じて約110億ウォン(約12億円)の取引成果を記録している。前年比で160%以上の成長だ。
また、ネイバーが3月12日に独立アプリとしてリリースした「ネイバープラスストア」も“発見型ショッピング”の戦略を体現するサービスの一つ。同アプリには、AI「ハイパークローバーX」を活用した「発見」タブが搭載され、ユーザーの関心に合った商品をショート動画形式で表示。視聴しながら商品を選び、即座に購入できる構造だ。
このアプリは8日現在、App StoreとGoogle Playの無料アプリランキングでChatGPTに次ぐ総合2位、ショッピングカテゴリでは1位を獲得。累計ダウンロード数は100万件を突破している。
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