2025 年 9月 18日 (木)
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ヨーロッパのけん制を突破?…韓国防衛産業の「スピード供給力」、武器輸出を後押し

K2戦車とK9自走砲の引渡式に出席した-ポーランドのドゥダ大統領とブワシュチャク国防相ら(c)AFP/news1

韓国の防衛産業(K-防衛産業)に対してヨーロッパ各国がけん制する姿勢を見せるなか、韓国製兵器の「優れた性能」と並び「迅速な納入」が最大の競争力として注目されている。ヨーロッパ製武器は納入まで数年を要する一方、K-防衛産業は1年以内に納入を完了させた実績が高く評価されており、これが今後の輸出拡大の鍵になるとの見方が強まっている。

ポーランドのドゥダ大統領は今月6日、ベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部でルッテ事務総長と共同記者会見を開き、韓国武器の導入理由について「注文から納入まで1年」という「迅速な納期」を挙げた。

ドゥダ大統領は「韓国のパートナーは、最新兵器を数カ月以内に供給できると言った。一方、(ヨーロッパの)他のパートナーは納入に数年かかると答えた」と明かし、韓国と欧州製品を比較した。

ドゥダ大統領の発言は自身の実体験に基づくものだ。ポーランドは2022年、韓国と124億ドル規模の契約を締結し、韓国航空宇宙産業(KAI)のFA-50軽攻撃機48機、現代ロテムのK2戦車180両、ハンファ・エアロスペースのK9自走砲212門、多連装ロケットシステム「天武」218門を導入することを決めた。

契約後、韓国はその「迅速な納入力」で世界を驚かせた。FA-50のうち、ポーランドの要望に応じた暫定版「ギャップフィラー(GF)」仕様の12機を契約からわずか1年3カ月で納入。最終版のFA-50PLは2028年までの納入完了を目指し、今年から引き渡しを開始する。

K9自走砲とK2戦車も、1次契約から2カ月後に初回分が納入され、その後も安定した供給を継続。K9自走砲はこれまでに150門以上を納入し、来年には全量を納入完了予定だ。K2戦車は今年中に96両を納入し、1次契約分がすべてポーランドに引き渡される見通し。現代ロテムはさらに60億ドル規模の2次契約を準備しており、年内にも契約が締結されると見られている。

このような導入国の満足度と実績が、ヨーロッパ他国への輸出拡大にも好影響を与えている。ルーマニアが昨年、K9自走砲の導入を決定した背景にもポーランドの「口コミ」が大きく作用したとされる。ルーマニアはポーランドとの合同軍事演習を通じ、韓国兵器に興味を持ったと伝えられており、ノルウェーもルーマニアにK9の利点を説明するなど、契約成立に寄与したという。

K-防衛産業の「迅速な納期」は、ヨーロッパ各国のけん制を突破する決定的な武器と評価されている。欧州連合(EU)は加盟国の兵器調達を支援するため、1500億ユーロ規模の融資を準備しているが、フランスはこれを「EU域内生産武器の購入に限定すべきだ」と主張し、韓国製兵器の勢いを牽制する動きを見せている。

その背景には、ヨーロッパの「生産力不足」があるとされる。欧州は高い技術力を持つ一方、欧州通常戦力条約(CFE)締結後に生産インフラを縮小してきたため、生産能力が韓国に劣ると評価されている。

今後、ヨーロッパにおける武器需要は急増する見通しだ。トランプ米大統領の「防衛費GDP比5%」要求により、各国は防衛費を大幅に増額中だ。

業界関係者は「K-防衛産業の納入経験は最良のプロモーションになる。迅速な納入こそが、韓国製兵器がヨーロッパに対して持つ最大の強みだ」と述べた。

(c)news1

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