
韓国でモデル兼俳優として活動していた男性が、カンボジアの犯罪組織に韓国人女性を売り渡す「募集役」として関与していたことが確認された。被害にあった女性は「日本語通訳を探す」と持ちかけられて渡航し、現地で監禁・強制配信などの被害を受けたという。
モデル兼俳優の男性は2024年4月、カンボジア・プノンペンに到着した30代の女性を「日本語通訳を探す」と偽り、500万ウォンを受け取って犯罪組織に引き渡した。引き渡された女性は約1カ月にわたり組織に監禁され、強制的に成人向け配信をさせ、組織が定めた「実績」に届かないと暴行や罵倒を受けた。
被害女性は家族により救出されたが、隣室から「助けてほしい」との悲鳴が聞こえたと証言しており、同様の被害者が他にもいる可能性が指摘されている。
一方、カンボジアで死亡した韓国人大学生の遺体が安置されていたプノンペンの寺院には、別の韓国人男性4人の遺体が追加で安置されていることが確認された。韓国外務省は10月21日の報道公示で「現在、当該寺院には50代半ばの男性1人、60代前後の男性3人、計4体の韓国人男性の遺体が安置されており、いずれも病死である」と説明した。
そのうちの1人は、前述のモデル兼俳優で、カンボジア・ポイペトの犯罪拠点で人員募集に関与した「募集役」として活動していたと把握されている。男性はインターポールのレッドノーティス(赤手配)対象者で、2023年にタイからカンボジアへ不法入国した長期不法滞在者であったが、今年6月18日にカンボジアのシアヌークビルの病院で死亡した。
この男性は死亡前の2025年5月19日に在カンボジア韓国大使館を訪れている。大使館は当時、この人物をインターポールの赤手配対象者として確認し、出頭を促したが、当該者は「後日再訪する」と述べて立ち去ったとされる。死亡後、関係者が連絡可能な遺族と連絡を取ろうとしたが連絡がつかず、事実上、無縁扱いとなった。
現在確認されている限りでは、モデル兼俳優のほかに安置されている3人については犯罪関与の状況は確認されていないという。
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