2025 年 6月 14日 (土)
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モスクワ―平壌の直通列車が再開…金正恩総書記、再び専用列車で訪露か

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記と専用列車(c)AFP/news1

新型コロナウイルスの影響で5年間中断されていたモスクワ―平壌間の直通列車が今月17日から再開される。これにより、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が6月中にロシアを訪問する可能性が再び注目を集めている。

ロシア鉄道庁は6月10日、モスクワと平壌を結ぶ直通旅客列車を17日から再び運行すると発表した。パンデミックにより2020年に停止されて以来、約5年ぶりの再開となる。

ロシアと北朝鮮は軍事的な接近だけでなく、社会・交通分野でも協力の手を広げており、今回の直通列車再開もその一環と見られる。両国はすでに、昨年12月には豆満江駅とハサン駅を結ぶ定期旅客列車の運行を再開し、今年5月8日には羅先とウラジオストクをつなぐ定期便も再開した。

さらにロシア鉄道庁は、今月19日からはハバロフスクと平壌を結ぶ直通列車も再び走らせる予定だと明らかにした。

こうした中、注目されているのがキム総書記の動向だ。昨年6月19日に締結された北朝鮮・ロシア間の「包括的戦略的パートナーシップ条約」1周年を記念して、今月中にキム総書記がロシアを再訪する可能性が指摘されてきた。

キム総書記はこれまでも外遊の際、専用列車を好んで使用してきた。かつて使用された専用機「チャムメ1号」は旧ソ連製イリューシン62Mを改造したもので、老朽化が進んでいる。2019年の第2回米朝首脳会談の際には、ベトナム・ハノイまで約60時間をかけて列車で向かったことがある。

そのほか、同年4月のロシア・ウラジオストクでの首脳会談、2023年9月のロシア極東ボストーチヌイ宇宙基地でのプーチン大統領との会談にも、キム総書記は自らの「移動要塞」とも称される重装甲の専用列車を使用した。

この専用列車は厚い鉄板で装甲され、爆弾テロなどへの備えが施されている。防弾ガラス、最新の通信機器、専用車両を搭載できるスペース、さらには高級寝台や会議室も完備されているとされる。

ただ平壌からモスクワまでの鉄路移動には最低でも7~10日ほどかかる見込みで、重装甲による低速走行も考慮すれば、それ以上かかる可能性もある。そのため、場合によってはプーチン大統領が自らの専用機を提供する“特別待遇”もあり得るとの観測も出ている。

キム総書記が海外訪問に航空機を使用したのは、2018年のシンガポールでの米朝首脳会談時のみで、その際も中国側が用意した専用機を利用していた。今回、キム総書記が再びロシアを訪れるとすれば、どの手段を選ぶのかに注目が集まっている。

(c)news1

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