2024 年 12月 26日 (木)
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メタバース、お前の正体は何だ (上)

 コラム 

NEWSIS チェ・ウンス記者

釜山市が2030釜山世界博覧会(EXPO)誘致のためゼペットに設置した「2030世界博覧会 X4 エンターテイメント」ワールド(写真=釜山市提供)©NEWSIS

韓国政府が年内にメタバースをゲームと分離する内容のガイドラインを発表すると予告し、メタバース産業振興への期待が高まっている。だが、こうした政府発表に、メタバース内のゲームはゲーム物に分類しなければならないという反論が提起され、ゲーム業界でも意見が分かれるなど、舌戦が交わされている。

なぜこのような混乱が生じるのか。

9月にスタートした国家データ政策委員会はゲーム物とメタバース区分などのためのガイドラインを年内に樹立すると発表した。さらにメタバース産業発展のために用語定義、自律規制などを含むメタバース特別法(科学技術情報通信省)、メタバースコンテンツ振興法案(文化体育観光省)制定を支援することにした。

特に2030釜山世界博覧会(EXPO)広報目的のメタバースは、直ちにゲームとして扱われてもゲーム物等級分類を免除するという方針も伝えた。

これはメタバースの新規制体系を設け、新産業の競争力を確保するための目的だ。メタバースがゲームと類似した要素を持っているという理由で、同じ規制を受けるのを防ぐということだ。つまりメタバース規制より、振興に焦点を合わせるというのが政府の方針という。

これに伴い、これまで規制のグレーゾーンにあったメタバースプラットフォームなど、その他のサービスが活性化するだろうという期待が情報通信技術(ICT)業界のあちこちから出ている。

しかし、ガイドラインの樹立に協力しなければならない科学技術情報通信省と文化体育観光省の両省庁の意見が分かれている。

科学技術情報通信省は、メタバースのような新事業に既存ゲーム規制基準を適用しては産業発展が萎縮しかねないという立場を、文化体育観光省はメタバース内ゲームがゲーム法適用から除外されれば、特恵論難が提起される恐れがあり、不法ゲーム物規制限界と射幸化憂慮があると指摘した経緯がある。

韓国政府のメタバース振興策に対する反論も引き続き提起されている。

野党「正義党」のリュ・ホジョン議員は、メタバースとゲームの区分が曖昧で、特にメタバースプラットフォーム内のゲームの場合、ゲームと似ているため、ゲーム物等級分類を受けなければならないと主張している。

実際、ゲーム物管理委員会は7月、ネイバージェットにゼペット(ZEPETO)内のゲーム物に対するゲーム審議を案内した経緯がある。これに対し、リュ・ホジョン議員は今月5日に開催された国会文化体育観光委員会国政監査で、ネイバージェットのキム・デウク代表を証人として申請し、ゼペット内のゲームはゲーム物に分類しなければならないという主張を提起した。

これに対して、ネイバージェットは、ゼペット内のゲームは体験、教育などが製作目的であるため、一般のゲームとは差があると一線を画した。また、リュ議員はゼペットが自主等級分類事業者に指定され、ゲーム物に対する等級分類をしなければならないという主張も展開した。メタバース内のゲームのセーフティネットが必要だという理由からだ。

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