Startup Story ~~ 成功のカギ
ドゥーハンズ(Dohands) パク・チャンジェ代表
物流、流通革新というミッションとともに、貧困層30%雇用など社会的な企業経営に力を注ぐ韓国のスタートアップがある。フルフィルメントの「ドゥーハンズ(DOHANDS)」だ。
社名には、業績を上げるとともに「社会的成果をもたらす」という意志が込められている。「ドゥーハンズは『雇用の機会を広げ、人間の尊厳性を高める』というミッションを持っています」。パク・チャンジェ代表は、こう言い切る。
「社会的大企業」という方針は、社会福祉団体と連携してホームレスを含む貧困層を雇用し、その割合を職員の30%になるまで引き上げることで実践している。
社内では「貧困層」という言葉を禁句だ。「同僚」という意味を込めて「コネクター」と呼ぶ。
ドゥーハンズの関係者によると、コネクターは、パソコンを操作できるなら出庫件数確認や割当業務を、腰が痛いというなら、無理のないようピッキング、パッキングなどの業務を担う。
また、コネクターを集中的にケアするため社内に社会福祉士を配置している。コネクターの採用、ジョブデザイン、オンボーディング(教育プログラム)を担当するほか、コネクターと定期的に面談し、生活改善の進捗度を把握している。
ドゥーハンズは専門誌の記者とともに、ホームレス福祉施設にいるホームレスやドヤ街の住民のインタビューを続けている。彼らにどのような要望があるのかを注意深く掘り起こし、オーダーメード型の雇用を創出するためだ。
「『ホームレス』というのは、その人の一時的な状態に過ぎません。そのレッテルが、未来永劫続くものでなければよいと思います。会社の成長とともに、コネクターを多く受け入れられるようなビジネス設計をしています」
パク代表は、こう説明する。
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