2024 年 10月 5日 (土)
ホームライフスタイルトラベルホカンス族が押し寄せ50万ウォンの客室も売り切れ (下)

ホカンス族が押し寄せ50万ウォンの客室も売り切れ (下)

年内着工予定の「voco Pyeongtaek」(写真提供=IHG)©MONEYTODAY

ところが、昨年末からホテル市場が再整備されたことでこうした基調が変わった。

1泊50万ウォンを超える客室が週末ごとに売り切れ、各ホテルがビュッフェ価格を一斉に引き上げた。1人当たり15万ウォン前後の価格を支払う必要があるのに予約が難しい。それほどホテル事業が回復傾向を見せているからだ。グローバル総合不動産サービス会社「ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)」によると、昨年末からラグジュアリーホテルの1部屋当たりの収益(RevPAR)は、新型コロナウイルス以前の2019年の86%まで回復した。

何より、ホテル市場における最高キャッシュカウ(収益創出源)である外国人ビジネス・旅行需要が回復するという好材料が、ホテル投資に変化をもたらした。

海外入国者(ワクチン接種者)対象にした自主隔離政策が解除されるなど、政府が防疫政策の緩和を宣言したことで、ホテルの収益性が高まると分析も出ている。BTSや「イカゲーム」など韓流市場が急成長しただけに、渡韓のインバウンド市場の回復性が優れると予想されている。一部では、2024年や2025年にはホテル業界の売り上げが歴代最高値を更新するという見通しも出ている。

JLLホテル事業部のキム・ミンジュン総括取締役は「韓流の拡大と累積した旅行需要によって国内ホテル市場が迅速に回復し、投資者たちが国内ホテル部門に目を向けるようになった」と説明した。

実際にグローバル3大ホテルチェーンであるインターコンチネンタルホテルグループ(IHG)は、京畿道(キョンギド)平沢(ピョンテグ)に京畿道初の5つ星ホテルを建設することを決め、年内着工に入る。新型コロナウイルスによる危機の中で、撤退の代わりに投資拡大を決めたものの、韓国が今後、アジア太平洋地域の3大旅行マーケットになるだろうと判断を下した。

IHG東南アジア・韓国地域開発担当のセレナ・リム副社長は「韓流に代表される韓国旅行市場は、ひと言で『パワーハウスインフルエンサー(影響力者を生み出す原動力)』だ」と投資背景を明らかにした。

ただ、こうした流れは、5つ星ラグジュアリーホテルを中心としたものになるとみられる。最近の旅行トレンドの売りが安全とプレミアムであり、ホカンス・旅行回復の「反射利益」を狙っているのも特級ホテルであるためだ。

ホテル投資者らも収益性を極大化して、売却後賃貸(セール&リースバック)や持分売買など様々な取引構造を導入できるようにする不動産である大型ラグジュアリーホテルに関心が集まるという見通しだ。

あるホテル業界関係者は「ホカンストレンドにより、ラグジュアリーホテルは宿泊や飲食などの側面で急速な回復を見せている。だが中低価ホテルは相変わらず廃業の危機に面していることが多い」との認識を示す。そのうえで「渡韓外国人の旅行客が戻っても、中低価ホテルに宿泊する団体観光客より、プレミアム宿泊客が当分は多くなるだろう。それゆえ、ホテル市場の両極化はさらに進むだろう」と見込んだ。

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