
フランス南部の都市トゥールーズで、旅行中の韓国人女性が人種差別的な暴言を浴びせられる様子がインターネットで生中継され、現地で波紋を呼んでいる。
フランスの地元メディアによると、登録者数100万人以上を抱える韓国人配信者「ジンニティ」は、5月7日にトゥールーズを訪れ、配信サービス「Twitch」で生放送をしていた。その最中に人種差別的な暴言と暴力を受けた。
配信中、ジンニティは路上を歩きながら視聴者と交流していたが、突然、キックボードに乗った男性が彼女に近づき、「何を撮ってるんだ?汚い中国女、消えろ!この汚い売春婦め!」と叫んだ。ジンニティが驚いてその男性を見つめると、男性は彼女の持っていたカメラを叩き落とし、そのまま立ち去った。
ジンニティはショックを受けながら「何だったの、これ? 泥棒じゃなかった。私は自分の顔を撮っていただけで、彼を撮っていたわけではない。ここはただの公共の場所ではないか」と語った。
視聴者からは警察に通報するよう勧める声が相次いた。だがジンニティは「通報しても助けてもらえるとは思えない」と述べ、事件を大きく取り上げるつもりはないと話した。
しかし、この映像を見た視聴者らが問題の場面をネット上で拡散し、地元当局に通報。加害者の特定と逮捕を求める声が高まった。
事態を受けて、トゥールーズの副市長は「配信中に侮辱と暴力を受けたジンニティを全面的に支持する。これは容認できない行為であり、こうした不当な事件を終わらせなければならない」とする公式声明を発表した。
フランスでは現在、加害男性の身元を特定し起訴できるかに注目が集まっていると同時に、観光客の安全保護体制を見直すべきだという声も高まっている。
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