
「TikTokのフォロワーが100万人を超えた日、それまでの悩みや辛かった記憶、応援してくれたファンの顔が一気によみがえって、泣き崩れた」。フォロワー数1650万人を誇るTikTokクリエイター「モクスナ」が、これまでで最も感動した瞬間についてそう語った。
モクスナは2018年、自身が経営していたパン屋を宣伝する目的で“モッパン(食事配信)”を始めた。フードサービス業界で働いた経験を生かし、知人とフランチャイズのベーカリーを開業したが、効果的な宣伝手段がなかった。別の知人から「食べ方が美味しそうだからモッパンをやってみたら?」と勧められたのが始まりだった。
当時「モッパン=横画面」が常識だったが、モクスナは縦画面という新しいスタイルで挑戦した。色鮮やかな食材で「一皿」を構成し、スマートフォンの画面をいっぱいに埋め尽くす映像で注目を集めた。モクスナは「たくさん食べられるわけでもなく、食べた分だけ太ってしまう体質だったから“大食い系”は向いていなかった」と語る。海外のクリエイターが縦型モッパンをしているのを見て「少量でも楽しく見せられる」と気づいたという。
映像では、食材の色合いや音、ビジュアルといった細部までこだわる。編集ではスピード感を大切にし、1.5倍速や2倍速でテンポよくまとめるなど、視聴者を飽きさせない工夫も忘れない。
「モクスナ」という名前は「モッパン・スナイパー(食事の狙撃手)」を略したもので、「一口でおいしく食べる」ことを狙う意気込みから生まれたという。自身の本名「セナ」にも似ていて覚えやすいと気に入っているそうで、「たまに“食事スナイパー”と呼ばれると嬉しくなる」と語った。
モクスナは「TikTokは世界的トレンドが最も早く流れるプラットフォームだ」という。「流行の音楽やチャレンジを素早く把握できるため、常に感覚を研ぎ澄ませてコンテンツを作れる」
収益面でもTikTokは非常に有利だったという。視聴回数に応じて報酬が得られる「クリエイターリワードプログラム」は、参加条件が簡単で、優れた動画には追加報酬が与えられる。「TikTokのおかげでコンテンツ作りに集中できる環境が整った」と評価する。
フォロワーが1000万人を超えた時は「数字が大きすぎて実感がなかった」と語り、今後は「ファンミーティングを開いて、今までの感謝を返したい」としている。
今やグローバルスターとなったモクスナは「100歳になっても映像を作るクリエイターでいたい」と意気込みを語る。今後は「グルメの楽園・ドバイでアイスクリームを食べたり、世界の美食を巡る旅をしたい」と語った。また、「まだ相手はいないけれど、将来結婚して子どもができたら育児コンテンツもやってみたい」と話した。
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