――核心となる技術をもっと説明してほしい。
イムCTO 現在、群集(swarm)技術と同時管制(PAM Net)が主軸だ。クラスター技術は、複数のドローンが協力して飛行できるようにするオンボードシステムの概念だ。地上で同時に管制するPAM Netとこの技術をよく融合し、飛び回るドローンや地上ロボット、海上水上艇など、すべてのモビリティを同時に管制することはもちろん、ロボット間の通信や協力ができるようにシステムを構築することが目標だ。それで最初の事業モデルがドローンアートショーになった。
2番目の事業モデルがドローン配送だ。数十機が同時に飛行して管制されれば、明らかな収益モデルになると予想している。次の事業は確定していないが、研究所で進めている研究は空軍ブラックイーグルスが披露しているエアショーを無人化して進めようとしている。ビジネスモデルになれるかについては疑問があるが、研究開発する立場では技術力を立証する機会だ。ドローン間の協力や地上で複数台を同時に管制する技術を披露した時、ハードウェア的にもソフトウェア的な信頼度を築くことができると思う。
――ドローン配送の商用化が難しい点は。
イムCTO 米国は「何らかの手続きを踏めば可能だ」という規制や手続きについてリードしている。韓国の場合、まだドローン配送自体が試験的事業や規制サンドボックス形態で推進されている段階だ。米国に比べて人口密集度が高い地域が多い関係で、関連基準の樹立に多くの困難がある状況だ。
――技術的にさらに進展させるべき部分は。
イムCTO ドローンアートショーの場合、外部公演とシンク(Sync)を合わせることで拡張している段階だ。シンクをうまく合わせるためのソフトウェア開発が必要である。室内飛行もできるようにして室内外・昼夜関係なく楽しめるアートショーを作ることが目標だ。
ドローン配送はシステム信頼度を上げることが最優先課題だ。ドローンが普遍化したというが、まだシステム信頼度が低い。高価なドローンは安全に作れるのは当然だが、実質的なビジネスのためには1000万ウォン以下にしなければならない。そのため、信頼度が多少落ちる状況で、これをどのように引き上げることができるかについて悩んでいる。これまではプロトタイプやデモンストレーション中心であるため、商用品を買って開発したが、今は信頼度の高い独自開発品に変えていく作業が必要だ。
最後にドローンを大型化しなければならない。現在はドローンの最大離陸重量(MTOW、Maximum Take off Weight)が25キロ以下でなければ飛ばせない。それ以上の重量は安全上の危害となるため、政府が規制している。これまでは25キロ以下でビジネスモデルを探していたが、大型化を通じて本格的に配送できるシステムを作るのがチーム・オールデリバリー(物流事業部)ですべきことだ。
――世の中にどんな貢献をしたいのか。
イムCTO パブロ航空の根本的な企業哲学は「世界をつなぐ」ということだ。人や商品の移動において絶えない流れを作ってくれることを夢見ている。特に、人々が望むことを無人ロボットを通じて成し遂げられるようにすることが最も大きな目標だ。その始まりがドローンだ。ドローンを群集で運営したり、複数台を同時に管制するための試みをしているのもその理由のためだ。
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