2024 年 11月 24日 (日)
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バイデン大統領がBTSを呼ぶ理由…深刻さ増すヘイトクライム

米ニューヨークで昨年4月、アジア系米国人をはじめ3000人余りが繰り広げた抗議デモ(AFPBBNews)©news1

バイデン米大統領が韓国の男性音楽グループBTS(防弾少年団)をホワイトハウスに招待した。新型コロナウイルス感染のパンデミック以後、米国で急増するアジア系住民に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)や差別をなくす方法について意見交換するためだ。

最近でもテキサス州の韓国人美容室で無差別銃撃事件が発生するなど人種差別関連の犯罪が絶えない。バイデン大統領によるBTS招待には、BTSとの対談を通じて米国内外の意識の転換を図ろうという狙いが読み取れる。

◇AANHPI文化遺産継承月間を記念

ホワイトハウスは26日、米国のアジア・ハワイ・太平洋諸島系米国人(AANHPI)の文化遺産継承月間(5月)を記念して、バイデン大統領がBTSに面会すると明らかにした。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領は昨年5月、急増するアジア系に対する憎悪犯罪をなくすため「新型コロナウイルス憎悪犯罪法」に署名するなど対策を進めてきた。

そのうえでホワイトハウスは「BTSは世界に希望のメッセージを伝える青年大使として、バイデン大統領とともに、多様性(diversity)と包摂(inclusion)の重要性を知らせるプラットフォームについて議論する」と強調した。

BTS所属事務所BICHIT MUSICも「バイデン大統領からホワイトハウスに招請され、とても光栄だ。さまざまな話ができることを期待する」と伝えている。

4月3日、グラミー賞授賞式に到着し、レッドカーペットイベントに参加するBTS(AP)©NEWSIS

◇新型コロナで標的になったアジア系

米大統領がアイドルグループをホワイトハウスに招待するのは異例だ。これは米国内のアジア系憎悪犯罪がそれだけ社会問題として深刻化していることを示している。

ロイター通信は「今回の対面は、アジア系に対する憎悪犯罪が昨年急増するなか、5月のAANHPI遺産月間が終了するタイミングで実現するもの」と位置づける。

アジア系に対する憎悪犯罪は「新型コロナウイルスの発源地が中国だ」という認識から始まった。新型コロナパンデミック初期、当時のトランプ大統領が先頭に立って、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼ぶなど、嫌悪感を煽った。この過程で、米国内のアジア系はその対象とされ、犯罪の標的になった。

米連邦捜査局(FBI)によると、米国で2020年に起きたアジア系に対する憎悪犯罪が279件で、これは前年(158件)比で77%増だ。他の人種に対する憎悪犯罪が32%増だったことを考慮すれば、アジア系を標的とした犯罪は新型コロナ拡散以後、確実に増えたというわけだ。

政治専門メディアの「ザ・ヒル(The Hill)」は「K-POPスーパースターであるBTSがバイデン大統領とともに、アジア系憎悪犯罪に対する警戒心を目覚めさせようと、来週、“ダイナマイト”を持ってワシントンに来る」と伝えている。

ダイナマイトはBTSが2020年に発表した曲で、希望メッセージが込められた歌だ。BTSはこの曲でビルボード「ホット100」チャート1位を獲得している。

©MONEYTODAY

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