ハリス米副大統領が韓国を訪問した際、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領に「日韓関係改善に伴う利益」を強調したことが関心を集めている。
米ホワイトハウスが29日配布した資料では「副大統領は、日米韓3カ国協力の重要性を強調し、共通の目標と安全保障上の懸念があることから、この分野における更なるイニシアチブを歓迎した」と記されている。そのうえで「(副大統領が)日韓の2国間関係を改善することの利点も強調した」と言及している。
この部分は、韓国大統領室の関連ブリーフィングには含まれていない内容だ。
バイデン政権は昨年1月の発足以来、一貫して日米韓3カ国の協力を強調してきた。これは中国に対するけん制とも関連がある。米国の重要な同盟国である日本と韓国とともに、民主主義と人権、自由など普遍的価値を前面に出して、インド太平洋地域の発展に貢献する姿勢を前面に押し出している。
だが、その先決問題である日韓関係の改善が遅れ、バイデン政権としても懸念が大きかったようだ。
ムン・ジェイン(文在寅)政権時代の昨年11月、日米韓は米首都ワシントンで外務次官協議を実施したものの、韓国警察庁長官の島根県・竹島(韓国名・独島)訪問を理由に、日本側が共同記者会見をキャンセルしたことがある。
今年5月に発足したユン政権は、日韓関係改善の必要性を積極的に主張しており、最近の首脳会談や外相会談などを通じて、日本とのハイレベルでの意思疎通を増やしている。
また、日韓双方は最大の懸案である日本による植民地時代の元徴用工問題に対しても「早急に解決する」ことで一致している。
これはバイデン政権の立場からも歓迎すべきことだ。
米政府は2015年の「日韓慰安婦合意」締結の過程でも日韓間の仲裁のために苦労したことがある。バイデン大統領は当時の副大統領、ブリンケン国務長官は副長官だった。このため、米国側は日韓葛藤の仲裁にやや消極的な姿勢を見せてきた。しかし外交関係者からは最近、「その戦略に変化が生じた可能性がある」との観測が出ている。
日米韓3カ国は30日、日本海で5年ぶりに合同で海上訓練を実施する。
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