
韓国のインターネット専門銀行「カカオバンク」では50代以上の利用者の割合は約32%と推定されている。これは「支店がないため高齢層の顧客割合は少ないだろう」という予想を覆す。カカオバンクは高齢層の顧客を対象に、差別化されたサービスを提供している。それが「高齢顧客専用の電話相談サービス」だ。
◇満65歳以上を対象に、すぐに相談員へつなぐサービスを提供
このサービスを担当しているカカオバンクCSチャネルチーム長のチェ・ヨンミ氏は次のように説明する。
「店舗を持たないインターネット専門銀行であるため、高齢者の取引が不便になり得る。高齢顧客専用の電話相談サービスは、こんな発想から始まった。満65歳以上の顧客が一般の相談電話とは異なる高齢顧客専用の電話相談番号にかけた場合、複雑なメニュー選択を経ずに、すぐに専任の相談員につながることができる」
相談では、難しい金融用語ではなく、顧客の理解度に合わせたわかりやすい説明、ゆっくりとした話し方でサービスを提供する。「顧客からのフィードバックをもとに、より良いサービスを提供できるよう努力している」と強調している。高齢顧客でないにもかかわらず、高齢顧客専用番号にかけた場合には、相談に制限がかかる。
高齢顧客を対象としているため、数分で終わる一般的な相談とは異なり、数十分に及ぶ場合もある。
「取引明細書のことで電話してきた70代の顧客がいた。メニューの探し方や、モバイルで取引明細書を開く方法など、すべてがわからず、一つひとつ応対していくうちに20分以上かかった。相談員が丁寧に一つずつ説明したところ、その後、その顧客が少し不慣れながらも一生懸命にテキストを打って感謝のメッセージを残してくれて、しばらくの間コールセンターが温かい雰囲気に包まれた」
チェ・ヨンミ氏はこう振り返った。
◇優秀な相談員を高齢顧客対応に全面配置
高齢顧客専任の相談員は、一般の相談員の中でも優秀な人材が配置される。高齢顧客がわからない内容について幅広い知識を持つ必要があるうえ、相談内容を的確に把握し、適切な回答を提供しなければならないからだ。
「高齢顧客に特化した優秀な相談員を専任で配置し、高齢顧客の特性に合わせたカスタマイズされた相談サービスを提供している。カカオバンク内部には専門的な相談能力を強化するための内部システムがあり、金融弱者への応対マニュアルから高齢顧客への応対方法まで含まれている。これによって相談員の教育も施している」
最近、カカオバンクを利用する高齢層の顧客割合が増加し、それに伴ってカスタマーセンターに流入する高齢層の相談も増えている。「オフラインの支店を持たない銀行ではあるが、支店に似た顧客相談体験を提供することに重点を置いている点が、カカオバンクの高齢顧客専用電話相談サービスの差別化ポイントではないか」。チェ・ヨンミ氏はこうみている。
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