2024 年 12月 29日 (日)
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ヌリ号開発の隠れた立役者「K-ベンチャー」

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韓国の国産宇宙ロケット「ヌリ号(KSLV-Ⅱ)」が21日、全羅南道・羅老(ナロ)宇宙センターから打ち上げられ、衛星を正常に分離した。先端技術の集合体といえる「ヌリ号」の開発製造には、業歴10年以下の国内ベンチャースタートアップも多数参加し支援した。

韓国航空宇宙研究院によると、ヌリ号には300社余りの企業が参加し、核心部品を開発、製作した。トータルシステムなど航空宇宙分野の専門技術から、エンジン、熱力学、空気力学などの機械装置技術、システム制御などのソフトウェアまで、数百以上の技術がこれら企業の手によって完成した。

中には韓国航空宇宙産業(KAI)、ハンファ・エアロスペース、現代重工業などの大手企業のほか、業歴が10年足らずのディープテック(先端技術)ベンチャースタートアップも名前を連ね、注目を集めている。

非上場の徳山(トクサン)ナブコース(Navcors)、VMVテック、シスコア(Syscore)、エナーベスト(EnerBest)、ヴィツロネクステック(VITZRONEXTECH)など5社がその代表だ。

起立の動作に入ったヌリ号(写真=韓国航空宇宙研究院)©MONEYTODAY

2016年に設立されたヴィツロネクステックはヌリ号の推進機関とエンジン開発に携わった。エンジン燃焼器、ガス発生器、タービン排気部、エンジン供給系部品の製作を率いた。

同社は電力部品生産の中堅企業「ヴィツロテック」から宇宙航空事業部門を分割して設立された。ヴィツログループの傘下であり、特許だけで16件を有するなど、技術力に定評がある。液体ロケットエンジンの製作技術を国内で初めて開発し注目を集めた。推進体関連の設計と製作分野でも高い技術力を保有していると評価される。

徳山ナブコースはヌリ号の航法受信機を開発した。漢陽(ハンヤン)ナビコムの防衛産業部門の譲渡を受け、2012年に設立された企業だ。精密誘導や航空兵器など軍事用兵器体系分野でPNT(位置・航法・視覚)を開発している。同社は、設立10年目を迎えた昨年、徳山グループに買収され、現在航法技術をベースとした自動運転と都心航空交通(UAM)分野への進出を控えている。

シスコアは2013年に設立。ヌリ号に搭載されるバッテリーモジュールなどの電力システムや推力制御装置などを開発した。

通信・制御装備、海洋探知システムなど民需分野の事業も手掛けている。

VMVテックはシーメンスの公式技術パートナーで、構造体騒音・振動と関連した設計と試験、エナーベストは熱制御・火災安全分野断熱材製作などに携わった。

ヌリ号はこのように韓国の革新ベンチャーが保有している最先端技術力の集合体と言える。

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