2025 年 4月 2日 (水)
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ドローンに痛手を負い、魅了された北朝鮮…偵察・自爆型無人機の性能強化へ

38ノースキャプチャー(c)NEWSIS

北朝鮮が自国初の早期警戒管制機(AEW&C)とされる装備やAI搭載の自爆型無人機(ドローン)を公開し、戦場の無人化を図る「現代戦」への対応を加速させている。背景にはロシアとの軍事協力と、ウクライナ戦争で得た教訓があるとみられる。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は27日、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が25~26日に「無人航空技術連合体」と「探知電子戦研究集団」を視察し、自爆型および偵察型無人機の性能試験に立ち会ったと報じた。

このうち無人航空技術連合体は2023年11月に初めて確認された組織であり、探知電子戦研究集団は今回の報道で初めて登場した新設機関だ。

報道では、開発中の各種無人機の写真も多数掲載され、北朝鮮が無人機戦力の強化に本腰を入れていることがうかがえる。

北朝鮮の無人機開発は、2022年末に韓国のソウルや京畿道上空に飛来した旧式の低高度無人機とは異なり、2023年7月に訪朝したロシアのショイグ国防相(当時)の前で、急に「近代化」された機体が登場したことで、その変化が注目されていた。

実際、韓国・国家情報院は北朝鮮がロシアから無人機の操縦技術や戦術、製造ノウハウを供与された可能性があるとし、その兆候を確認したと明らかにしている。

また、2024年10月にロシアに派兵された北朝鮮兵士が、ウクライナ側の無人機攻撃に為す術なく攻撃される経験を通じ、北朝鮮が現代戦における無人機の重要性を痛感したとも伝えられている。

キム総書記は2024年11月、同連合体の視察時に「自爆型無人機の量産」を指示し、さらに同年8月には国防科学院の無人機研究所を訪れ、人工知能(AI)を搭載するよう命じていた。今回の視察は、その指示が7カ月ぶりに「具現化」されたことを誇示する目的とみられる。

同紙はまた、「新たな電子妨害兵器体系の開発・生産が進行中」とも報道しており、これは米韓の探知能力や精密誘導兵器を無力化する戦略兵器の整備を示唆している。

北朝鮮は2021年1月の党大会で打ち出した「国防科学発展・武器体系開発5カ年計画」に基づき、無人偵察機の開発を進めてきた。ロシアとの接近やウクライナ戦争を契機に、その計画が急速に拡張しているとみられる。

専門家らは今後、北朝鮮とロシアが弾道ミサイルなどの「旧来型兵器」よりも、無人機や電子戦装備といった現代戦向けの戦力強化に注力していくと予測する。

北韓大学院大学のヤン・ムジン学長は「北朝鮮はロシア派兵を通じて無人機の威力を痛感し、遅れた無人機技術の現代化に集中している。朝露関係が蜜月状態にある中、不足する技術をロシアの支援で補いながら、先端兵器体系の近代化を継続するだろう」と分析している。

(c)news1

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