2025 年 7月 5日 (土)
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トランプ発「景気後退の恐怖」…韓国・研究機関「2025年は“0%台成長”」の悲観予測

2025年4月29日、京畿道・平沢港の自動車専用埠頭に並ぶ輸出用車両(c)news1

トランプ米大統領によって再燃した関税戦争の余波で、「R(Recession=景気後退)の恐怖」が現実味を帯びている。韓国国内の経済成長率が0%台にとどまるという懸念が、今や複数の機関から相次いで示され、年初に2%前後だった見通しは急速に下方修正されている。

韓国政府系の国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)は14日、「2025年上半期経済展望」を発表し、今年の韓国経済成長率を0.8%と予測。これはKDIが初めて提示する「0%台」の成長見通しとなった。

KDIはわずか3カ月前の2月には成長率を1.6%と見込んでおり、今回はその数値をさらに半減させた形だ。背景には、トランプ政権の高関税政策による輸出直撃と、内需の不振が重なっている。

同院のチョン・ギュチョル経済展望室長は「今回の予測値引き下げのうち、約0.5ポイントは対外要因、0.3ポイントは国内要因によるもの」と説明した。

海外投資銀行(IB)各社の見通しもKDIと足並みを揃えており、国際金融センターによると、海外IB8社の2025年の韓国成長率予想の平均は4月末時点で0.8%。わずか1カ月で0.6ポイントも下方修正されたことになる。

例えばバークレイズは1.4%→0.9%、バンク・オブ・アメリカは1.5%→0.8%、シティは1.2%→0.6%、ゴールドマン・サックスは1.5%→0.7%、JPモルガンは0.9%→0.5%、HSBCは1.4%→0.7%、野村は1.5%→1.0%、UBSは1.9%→1.0%といった具合だ。

国際通貨基金(IMF)も今年1月末に発表した2.0%の予測を、4月末には1.0%に修正。韓国の民間シンクタンクである現代経済研究院も、12月に出した1.7%から5月には0.7%に引き下げた。

これにより、2025年の成長率が0%台後半にとどまれば、韓国は1998年の通貨危機(-4.9%)、1980年のオイルショック(-1.5%)、2020年の新型コロナによる世界同時不況(-0.7%)以来、4度目の“マイナスに近い成長”を記録することになる。

KDIは今回の予測で、米国が品目別の関税を維持しつつも、相互関税の一時停止措置(モラトリアム)が続くというシナリオを基本としている。しかし、これが終了して関税が全面施行される事態となれば、成長率はさらに下がる可能性があるという。

KDIのキム・ジヨン経済展望総括は「米国が高い関税を維持し、相手国が報復関税で応じれば、韓国経済にも一層の下押し圧力が加わる」と警鐘を鳴らした。特に、電子製品など韓国の主力輸出品に高関税が課される場合、輸出不振は避けられない。

一方で、米国との関税交渉が円滑に進めば、成長見通しが若干持ち直す可能性も残されている。

チョン・ギュチョル室長は「4月以前には“関税モラトリアム終了”という事態は想像もできなかった」と述べ、「それだけに現在の予測には極めて高い不確実性が伴っている」と指摘した。

(c)news1

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