
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が最近の党大会で、米国との条件付き対話の可能性を残した中、直後に米国の奇襲空爆でイラン最高指導者が死亡したことを受け、今後の米朝対話再開に影響は避けられないとの見方が出ている。
イランの最高指導者ハメネイ師が死亡し、トランプ大統領は「イラン国民が国を取り戻す唯一の偉大な機会だ」と発言し、事実上の体制転換を促した。トランプ大統領は1月にはベネズエラのマドゥロ大統領失脚にも関与し、わずか2カ月でイラン最高指導者も排除する形となった。従来の外交慣行を破る動きが続く中、キム総書記の対米戦略計算は一層複雑になったとの分析が強まっている。
トランプ大統領は3月末から4月初めにかけて北京を訪問する予定で、外交筋の間ではこれを契機に米朝首脳会談の可能性が取り沙汰されている。北朝鮮は米国への刺激的発言を控える一方、「核保有国」地位の尊重を前提とした条件付き対話の余地を残してきた。
キム総書記は党大会で「米国が朝鮮民主主義人民共和国の現行の地位を尊重し、対朝鮮敵視政策を撤回するなら、我々も米国と良好な関係を築けない理由はない」と述べた。昨年9月の最高人民会議でも、非核化への「執着」を捨て現実を認めるなら対話は可能だとの立場を示している。
しかし専門家の多くは、米国が北朝鮮側の条件を満たしていない現状で、キム総書記がトランプ大統領と早期に対面する可能性は低いとみる。匿名の北朝鮮専門家は「イラン事態で警戒心はさらに高まったはずだ。中国やロシアとの立場調整も必要で、時間的余裕はない。トランプ政権内でも対北政策が明確に転換したとは言えず、具体的な準備は整っていない」と指摘する。
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