2025 年 11月 3日 (月)
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トランプ大統領―金正恩総書記の再会はいつか…分岐点は2026年1月と4月?

トランプ米大統領とキム・ジョンウン朝鮮労働党総書記(c)Reuters/news1

アジア太平洋経済協力会議(APEC)の期間中、トランプ米大統領は北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記と「会う用意が100%ある」と再三公言し、首脳会談に強い意欲を示した。しかし、北朝鮮側からはキム総書記を含むいかなるルートからも公式な反応はなかった。

むしろ北朝鮮は、トランプ大統領の訪韓直前に巡航ミサイルを発射し、チェ・ソニ(崔善姫)外相がロシアとベラルーシを歴訪するなど、間接的に「無言の拒否」を示したとも受け取れる行動を取った。だがこれは、米側の譲歩を引き出すための「価値引き上げ」戦略との見方が優勢だ。

トランプ大統領はAPEC期間中、北朝鮮を「核保有国」と表現し、かつての「完全な非核化」要求から方針を転換したような姿勢を見せた。制裁緩和のカードまでちらつかせ、管理的アプローチでキム総書記に歩み寄ろうとしたが、北朝鮮は沈黙を続けた。専門家によれば、北朝鮮は今の段階で動けばアメリカに安易な外交的成果を与えるだけと見ており、あくまで「自らのタイミングと条件」で交渉を再開する構えだという。

分岐点は2つある。まず2026年1月に予定される朝鮮労働党第9回大会。北朝鮮は年末の党中央委員会総会で翌年の方針を策定し、年頭にメッセージを発するのが通例だが、5年に一度の党大会はより重要で、外交方針の大転換が示される可能性がある。この場で米朝対話への意欲やシグナルが明示されれば、米側も迅速に反応し、接触のきっかけが生まれるとみられる。

もう一つの節目は、同年4月に予定されるトランプ大統領の中国訪問だ。トランプ氏は10月末の米中首脳会談後に、2026年4月に習近平国家主席との再会を目的に訪中すると表明している。この訪中に向けて米朝間で一定の進展があれば、トランプの訪朝やキム総書記の訪中という形で米朝首脳会談が再び実現する可能性がある。

仮にそれまで接触がなくとも、中国を「仲介役」とする新たな形の交渉再開が模索されることも考えられる。北朝鮮にとっては中国の後ろ盾が交渉力を高める手段になりうるうえ、米国も対中外交の一環として対北政策を進めやすくなるためだ。

北朝鮮は現時点で「サプライズ会談」には否定的な構えを見せているが、交渉自体は視野に入れており、国内政治日程と米中の動向をにらみながら、自らが有利になるタイミングを慎重に計っているとみられる。

(c)news1

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