2025 年 12月 16日 (火)
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トランプ大統領―金正恩総書記、年内再会なるか…焦点は10月・韓国のAPEC

7月25日、京畿道坡州市・板門店を訪れ、南北連絡チャンネルなどを点検するチョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相(c)news1

米韓首脳会談で韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が北朝鮮との対話再開を提案し、トランプ米大統領が「年内にキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記と会いたい」と応じたことから、米朝首脳の再会が現実味を帯びるのではないかとの観測が浮上している。特に今年10月末、慶州で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が注目点となる。

イ・ジェミョン大統領は8月25日(現地時間)、ホワイトハウスでの米韓首脳会談でトランプ大統領をAPECに招待し、「可能ならキム総書記との会談も推進しよう」と提案。トランプ氏も「今年中に会いたい」と発言し、再び米朝首脳会談を打ち出した。

だが現実的に年内の機会はAPEC以外に乏しい一方、北朝鮮が韓国開催の国際会議に参加する可能性は低いと見られている。北朝鮮はキム・ヨジョン(金与正)副部長の談話などを通じて「米国は核保有国としての承認を、韓国は『南北二国家』政策を受け入れなければならない」と要求し、南北・米朝対話に背を向けてきた。韓国が用意した場に引き出されるような演出は強く嫌う傾向があるためだ。

現実的な代替案としては、2019年6月30日に板門店で実現した「米韓首脳会談に合わせた突発的な米朝会談」の再現が挙げられる。当時、トランプ氏は訪韓の際、自身のSNSで「キム・ジョンウン氏に会いたい」とメッセージを発信し、北朝鮮が応じて歴史的な板門店3者会談が電撃的に実現した。中立的空間である板門店での会談は、北朝鮮にとっても受け入れやすいとされる。

チョン・ドンヨン(鄭東泳)統一相も「APEC出席は非現実的だが、トランプ氏の訪韓を契機に会談を模索することは必要」と指摘した。

今後の焦点は北朝鮮が米韓首脳会談をどう評価するかだ。もし北朝鮮が結果を罵倒せず、抑制的なトーンで論評するなら、早期会談の可能性は高まる。一方、「核保有国承認」や「南北二国家」要求が無視されたとして激しく非難したり軍事挑発で応じるなら、接点探しはさらに難航する。

韓国政府は今回の会談でトランプ氏を「ピースメーカー」、イ・ジェミョン大統領を「ペースメーカー」と位置付け、当面は南北直接対話よりも米朝間の交渉機会創出に力点を置くとみられる。米国に対し、北朝鮮との対話メッセージを持続的に発信するよう促す方針だ。

北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「平昌冬季五輪を通じた対話の経験を持つトランプ氏を持ち上げ、事実上APECを契機とした南北・米朝対話を提案したことは、トランプ氏の負担を減らす配慮だ。今年中の対話意向をさらに強く示せば、キム・ジョンウン氏も考えざるを得なくなる」と述べた。

(c)news1

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