
韓国の物流最大手「CJ大韓通運」が、宅配用の段ボール箱を活用した新たな広告ビジネスモデルを本格化させている。これまで自社の広報や公共キャンペーンに活用されてきた配送ボックスに、外部ブランドの広告を掲載する事例が増えており、物流業界における新たな収益源として注目を集めている。
CJ大韓通運はこれまで、ウォルト・ディズニー・コリアと協力し、映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のビジュアルを施したEC物流(フルフィルメント)専用の配送箱を運用した実績を持つ。箱の外側には映画の大型グラフィックやQRコードが印刷されており、消費者が荷物を受け取る瞬間の直接的な視覚訴求により、高いプロモーション効果を証明した。
同社は2022年から、ドラマ作品やITサービスに関する広告の試験運用を継続的に進めてきた。今回のディズニーとの協業などを手始めに、エンターテインメント、流通、F&B(飲食)など、多様なブランドとの共同マーケティングを拡大させている。
実は、CJ大韓通運は2013年にCJ GLSと合併した際、すでに定款の事業目的に「広告業」および「広告代理業」を追加済みである。全国を網羅する圧倒的な配送ネットワークを背景に、単なる輸送手段だった宅配箱を、消費者の自宅まで届く「ラストワンマイル・メディア」として再定義し、その可能性を具体化させている。
CJ大韓通運の関係者は「宅配箱は消費者の生活空間に直接届く、非常に接触率の高いメディアだ。今後はビッグデータを活用し、特定の地域やターゲット層に合わせたパーソナライズ広告など、物流とマーケティングを融合させたサービスをさらに強化していく方針だ」と語った。
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