2024 年 6月 30日 (日)
ホーム経済IT/メタバーステレビを見ながら勉強、ホームスクーリング市場が急成長

テレビを見ながら勉強、ホームスクーリング市場が急成長

LGユープラスのビルで、テレビで勉強して遊ぶ子供たち©news1

最近の子供たちはテレビで本を“読む”――。

親に代わって、童話読み聞かせの専門家が、世界の児童文学受賞作を直接読んでくれる。韓国の通信大手「LGユープラス(LG U+)」の子供向けコンテンツサービス「U+こどもの国」の「読み聞かせTV」のことだ。ユープラスだけでなく、KTは「キッズランド」、SKブロードバンドは「ZEMキッズ」という名前で、自社IPTVから子供向けコンテンツを公開している。新型コロナウイルス感染の影響で、ホームスクーリングへの関心が高まる中、移動通信各社も子供を持つ親の攻略に出るようだ。

◇「双方向読書サービス」も

「U+こどもの国」は、児童を対象に英語教育、図書、YouTubeキッズなどのコンテンツを提供するサービスで、2017年にリリースされた。ユープラスによると、サービスの累積利用者数は昨年、約5000万人を突破した。

「U+こどもの国」の代表的なコンテンツが「読み聞かせTV」。童話読み聞かせの専門家の声により、図書600余編をテレビ画面で接することができ、没入度を高めたのが特徴だ。ユープラスは画像ソリューションを通して、先生が子供と相互作用して読書習慣を育てる「双方向読書サービス」のリリースも準備している。

こうした児童教育コンテンツは、ユープラスが非通信事業で注力している事業のひとつだ。

同社は今年、教育とITを融合させた「エドテック(EdTech)」のスタートアップ「Hodoo labs」「enuma」への投資に踏み切り、事業の底辺を広げている。これに先立ち、ユープラスのファン・ヒョンシク代表も、昨年3月の第26回株主総会で「“こどもの国”をプラットフォーム化するのが、やはり最も重要な新事業」と強調したことがある。

Btv「ZEMキッズ」をオープンしたSKブロードバンド(SKB提供)©news1

◇オーダーメイド型

ユープラスに「こどもの国」があるのなら、SKブロードバンドBtvには「ZEMキッズ」がある。

「ZEMキッズ」の代表的なサービスは「今日の学習」。昨年11月にリリースされ、満1歳から13歳までオーダーメイド型で教育コンテンツを推薦・提供するのが特徴だ。

年齢別に、1~3歳は生活習慣・社会性・自然探究など幼児の発達に役立つ遊びの過程を、4~5歳はリズム運動・童謡・童話で身につける「創造・幼児教育コース」を、それぞれ利用することができる。

また6~7歳にはハングル・数学などに集中したプレ初等課程、8~13歳は小学生の各カリキュラムに合わせた初等コースを毎日30分ずつ勉強することになる。

SKブロードバンドによると、今年第1四半期基準の「今日の学習」利用者数は昨年第4四半期より3.3倍増え、累積視聴件数は300万件を超えた。SKブロードバンド側は「非対面学習環境とTVホームスクーリング需要が未就学児の視聴増加に繋がった」と説明した。

KTは「キッズランド」で本と幼児教育の専門家が厳選した童話を本をアニメ化した©news1

◇潜在的な顧客を先取り

KTは「olleh tv」で満3歳から9歳までの未就学児と小学校低学年の児童のための「キッズランド」サービスを提供している。最近は幼児教育専門家のオ・ウニョン博士とのコラボレーションで、情緒発達、子育てをテーマにした童話をアニメーション化した。

「キッズランド」は2018年のリリース。累積利用者数は同年9月の320万人から昨年11月の段階で600万人に増えた。この時の累積利用者は「キッズランドVOD」を利用したユニーク・ビジター数(重複しない訪問者)を意味する。同期間の累積利用回数は1億6000万件から25億件に増加した。

特に「キッズランド」コンテンツの中でも最も人気がある分野は、英語コンテンツとなった。このためKTは英語コンテンツの編成を大幅に強化した。今年5月にKTは「英語クラス」メニューを新設し、英語学習アプリ「ABC mouse English」、米国の児童書出版社最大手の「Scholastic(スカラスティック)」、世界中で絶大な人気を誇る幼児向け動画サイト「Cocomelon(ココメロン)」など、米国三大英語コンテンツをまとめて編成した。

このようなキッズ向けコンテンツ事業への投資は、新型コロナの影響から日常回復後の雰囲気の中でも続くというのが業界大半の見通しだ。

ある通信業界関係者は「キッズコンテンツは親と子供双方の顧客層を満足させる必要がある。潜在的な顧客を先取り確保するという観点からも、非常に重要なターゲットと考えている」との認識を示したうえで「映画・ドラマに比べ、コンテンツの制作費用も安く、コンテンツの流通期間が長い。したがって、付加価値を生み出すことができ、成長の可能性もある。今後、キッズコンテンツの制作と投資などが活発になる」と見通している。

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