2025 年 3月 18日 (火)
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タイからの韓国観光客、急減…K-ETAと物価高が壁に

韓国観光公社提供(c)MONEYTODAY

東南アジア最大の観光市場であるタイからの訪韓客が急減し、観光業界の懸念が深まっている。K-ETA(電子渡航認証制度)による煩雑な入国手続きや高騰する物価が主な要因とされる。

韓国観光公社によると、昨年韓国を訪れたタイ人観光客は約32万人で、コロナ前の2019年(57万人)の56.7%にとどまった。一方、フィリピン(102.6%)やベトナム(92.4%)ではコロナ前を上回る回復を見せている。韓国での入国拒否事例がタイ国内で広まり、訪韓への心理的ハードルが上がっていると指摘される。

旅行代理店への問い合わせも激減し、業界では手数料の引き下げやコンテンツの多様化を試みているが、需要自体が低迷しており売り上げは伸び悩んでいる。旅行会社関係者は「問い合わせはコロナ前の半分以下。他の東南アジア諸国とは対照的だ」と話す。

K-ETAは違法滞在防止を目的とした事前登録制度だが、タイ国内では「審査が厳しすぎる」「手数料が過剰」と不満の声が多い。昨年、タイの観光スポーツ相の妻やインフルエンサーが入国を拒否されると、約1万人が韓国旅行をキャンセルし、「韓国には行かない」というハッシュタグがSNSで拡散した。

また、韓国の物価の高さも障壁となっている。宿泊費は日本より10~20%安いが、生活費全体は韓国の方が高い。物価データベース「Numbeo」によると、昨年のソウルの物価(家賃除く)は東京より25.1%高く、レストランの平均価格もソウルは1万500ウォンで東京(8819ウォン)より19.1%高い。

一方、韓国人のタイ訪問は増加しており、観光収支の赤字が拡大している。今年1月、タイを訪れた韓国人観光客は約22万人で世界4位だったのに対し、韓国を訪れたタイ人は約2万人にとどまった。

観光業界では、リピーター率が高く消費意欲の強いタイ人観光客を呼び戻すための戦略再構築が急務とされる。ある旅行プラットフォーム幹部は「タイの旅行需要は依然として高い。K-ETAの見直しや高物価対策を進めるべきだ」と強調している。

(c)MONEYTODAY

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