「露店の前に行って許可をもらっているのかと聞いてみたら、許可はもらったそうだ。だから違法だとは知らなかった」
4日午後1時ごろ、ソウル永登浦区汝矣島(ヨンドゥンポグ・ヨイド)の漢江(ハンガン)公園のベンチで会った60代のパクさんが、レジャーシートを売る露店商を指して記者にこのように話した。
「露店商は質問を聞くやいなやなぜ尋ねるのかと怒っていた」。一緒に散歩にきた友人のソンさんもそう口を揃える。
パクさんは「市民のための休息空間なのに違法な露店がスペースを埋め尽くすのは良くないと思う」と話した。
行楽客が増える春を迎え、漢江公園に違法露店が乱立している。この日、地下鉄汝矣ナル駅の2番出口に沿って漢江公園方向に階段を下りると、両側に露店が目に入ってきた。
レジャーシートのレンタルがあり、エビフライ、サムギョプサルのバーベキュー、タンフルなどの食べ物を売る露店までさまざまだった。漢江公園を取り締まるソウル特別市未来漢江本部によると、いずれも無許可で商売する「違法露店商」だ。夜市などイベントが開かれる時だけ指定された場所で許可を受けて営業ができる。露店の後ろには未来漢江本部が設置した「汝矣島漢江公園内の違法露店を利用しないようにしましょう」という横断幕がかかっていた。
露店商らが自転車専用道路の近くに陣取ることで、危険な場面もあった。市民たちが食べ物を買うために列に並び、自転車専用道路にはみ出してしまう。露店が自転車専用道路の近くにあるため、自然に市民が自転車専用道路の上に並ぶ。違法露店と自転車専用道路の距離はわずか1メートルにもならなかった。自転車専用道路に入ってしまい、走っている自転車のベルの音を聞いて慌てて避ける市民もいた。
この日、汝矣島(ヨイド)の漢江(ハンガン)公園に自転車に乗りに来た40代のキムさんは「平日は少ないが、週末になると露店の前に行列が長くでき、自転車専用道路まで人が並んでいることが多い。自転車は、スピードを出さなくても通行が難しく、危険だ。自転車道路の内側に並べばいい」と話した。
ライディングの服装で汝矣島漢江公園を訪れた40代のユンさんは「久しぶりに来てみたが、露店がこんなに多いとは知らなかった。人々が自転車に乗っているときに食べ物を買いに来た人々が突然飛び出してきたら避けるのは難しいと思う」と明らかにした。
違法露店の列は200メートル以上も続いた。この区間に設置された違法露店の数を数えてみると、21カ所だった。違法露店の商人たちがカートに食用油、ボックスなどの品物を載せて運んで自転車専用道路の大部分を占拠する場合もあった。
地下鉄駅の周辺など道路周辺に設置された露店の場合、区役所が取り締まるが、公園の中の露店は未来漢江本部の所管だ。未来漢江本部は1週間に2回程度、違法露店商を取り締まり、摘発回数1回ごとに7万ウォンの罰金を課している。
未来漢江本部汝矣島案内センターの関係者は「違法露店の前に市民が長い列を作って自転車専用道路にはみ出すので、歩行者の安全を脅かすだけでなく、ガスボンベの管理が不十分だとか積載物を放置するとかいった副次的な問題も多い。市民から『違法露店を撤去できないか』といった苦情も非常に多く寄せられている」と明らかにした。
しかし、未来漢江本部センターでは罰金を課すことができるだけで、違法露店を強制撤去できる権限がない。未来漢江本部汝矣島案内センター関係者は「取り締まり回数や取り締まり内容をさらに強化する予定だ。強制撤去などについては関連機関が協議中」と話した。
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