
2025年1月から11月までに、ソウルの江南3区(江南・瑞草・松坡)で住宅を売却した50代以上の割合が前年より大幅に増加した。高額住宅の所有者が保有税の負担を軽減し、老後資金を確保する目的で売却に動いているとみられる。
韓国の裁判所が運営する登記情報ポータルによると、2025年の同期間に江南3区で集合住宅(マンション・オフィステル・多世帯住宅など)を売却した50代以上の所有者は2万407人で、前年同期の1万5816人から29.0%増加した。江南3区の全売却者のうち64.6%が50代以上で、ソウル全体の平均(60.2%)を上回っている。つまり、江南圏で売却された住宅10件のうち6件以上が50代以上の所有者によるものだった。
地域別では、松坡区が7933件で最も多く、次いで江南区が6711件、瑞草区が5763件となった。なかでも長期保有物件の売却が目立つ。2025年に江南3区で20年以上保有した集合住宅を売却した人は2622人で、2024年の1676人から56.5%増加した。特に江南区では20年超保有の物件売却が51.3%増となっている。
こうした物件を購入しているのは主に30~40代の高所得層だ。2025年に江南3区で住宅を購入した30~40代は計1万8001人で、全体の62.2%を占めた。江南区では65.2%、瑞草区で61.6%、松坡区でも60.3%と、いずれも過半数を大きく超えている。
不動産業界では、50代以上の住宅所有者が退職を控えて資産構成を見直したり、将来的な贈与を見据えて積極的に売却に動いていると分析している。その結果、江南圏では高額物件を所有する親世代が売却し、資金力のある若い世代が購入するという、自然な世代交代の流れが強まっているとの見方が出ている。
韓国の大手金融機関KB国民銀行の不動産首席専門委員であるパク・ウォンガプ氏は「50代以上の住宅所有者が、長期保有による特別控除の縮小を念頭に、譲渡益を早めに確保しようとしている」と指摘。「退職後の節税と資金確保という複数の目的が同時に作用しているとみられる」と分析した。
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