
昨年12月3日の「非常戒厳令」疑惑をめぐり、特別検察によって再拘束された韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領を支援する一部の支持者たちが、ソウル拘置所に対し「エアコンの設置など収監環境の改善」を求める抗議活動を続けている。
複数のオンラインコミュニティで11日、ユン前大統領が独房に収容されたとの報道が伝えられたのを受けて、支持者らがソウル拘置所の電話番号、ファクス、電子メールアドレスを共有。拘置所への集中的な抗議行動を呼びかけた。
中でも支持者の1人は「この猛暑にエアコンなしの独房収容は、政治報復による人権弾圧だ。簡単だが実効性のある方法としてファクス抗議をしよう」と訴えた。
この支持者が公開したファクスの文面には「ソウル拘置所は直ちに人権を保障せよ。エアコンもない部屋に人を放置する行為は殺人にも等しい」「拘置所長は環境改善と国民への説明責任を果たせ」と記されていた。
さらに「今回の政治報復による拘束を国際社会に知らせ、ソウル拘置所が重大な人権侵害・政治犯罪に及んだことを継続的に告発する。今が最後のチャンスだ。是正せよ」と警告文も添えられていた。
この支持者は「礼儀を守りつつも強硬に送ろう。できることは全てやる。私たちがユン氏を守ろう」と強調した。
一方、あるネットユーザーはユン前大統領との接見を予約しようとしたが、「収容者が拒否したため予約がキャンセルされた」という通知を受けたとSNSで公開。このメッセージを見た他のユーザーからは「名前が『(ユン氏の妻)キム・ゴニ』の人なら接見できるかも」「私も挑戦してみたい」「接見室にはエアコンあるだろうに受け入れればいいのに」など、皮肉交じりのコメントが相次いだ。
ユン前大統領は現在、ソウル拘置所の約2坪(約6.6㎡)の独房に収容されており、収容番号は「3617」。室内には小型扇風機があるだけで、エアコンは設置されていないとされる。
歴代大統領経験者は通常、5〜6人が使っていた3坪(約9.9㎡)程度の部屋を単独で使用してきたが、今回は収容施設の過密状況などから小型独房が割り当てられた模様だ。
また、ソウル拘置所では医療棟を除き、一般の居住棟にエアコンは設置されておらず、老朽化による電力供給の問題もあり、新たな冷房設備の設置は難しいとされている。
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