2025 年 7月 4日 (金)
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ソウル市「漢江バス」、市民試乗始まるも課題山積…9月の正式運航へ準備加速

2025年7月1日、試験運航を開始した「漢江バス」(c)news1

ソウル市が導入を進めている「漢江バス」が7月1日、初の市民体験搭乗を実施した。9月の正式運航を前に、8月30日まで毎週火・木・土曜日に試乗運航をする。ただ、乗船環境や交通連携などに多くの課題が残されている。

午後2時、ソウル市の汝矣島(ヨイド)から出航した漢江バスには、抽選で選ばれた40人以上の市民が乗船し、東へ向かって蚕室(チャムシル)まで運航された。途中の中継地・トゥクソムでは一時停船した。内部は米ニューヨークのイーストリバーを走るフェリーに似た構造で、簡易売店も設置されていた。客室中央には飲食販売用のカウンターが設けられ、座席には折りたたみ式テーブルも備えられていた。乗客は写真を撮ったり、デッキで風に当たったりしながら景観を楽しんだ。

だが、初日から複数の問題点も明らかとなった。ソウル市は「漢江バス」を通勤にも利用可能な公共交通機関とする方針で、各船着場に市の公共自転車「タルンイ」を設置するとしていた。しかし、現地では汝矣島の船着場付近に民間の共有自転車「ザ・スウィング」が8台あるのみで、「タルンイ」は見当たらなかった。トゥクソム付近も同様に交通連携の不備が目立った。

また、当日は猛暑警報が出るほどの気温で、船内の空調も不十分だった。設置された5台のエアコンのうち、一部は室外機の仕様のため正常に作動せず、船内は蒸し風呂のような状態となった。さらに、汝矣島船着場1階の改札付近では、報道陣や体験者約100人で早くも混雑が発生した。平日の通勤時間帯には混乱が避けられないとみられる。

整備工事も遅れている。主要停泊地であるトゥクソムの船着場は、正式運航を2カ月後に控えた現在も工事中だ。ソウル市によると、麻谷(マゴク)や玉水(オクス)の船着場の工事を今月25日までに終える計画だが、全7カ所の船着場とも入居予定のテナントがまだ決定していないという。

ソウル市関係者は「運航を通じて確認された課題を反映し、正式運航時には問題が起きないよう最善を尽くす」と述べた。

(c)news1

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