美術界に激しい論争を起こしたイタリアの著名なアーティスト、マウリツィオ・カテラン氏の作品「コメディアン」が来月、競売にかけられる。米競売会社「サザビーズ」が予想する価格は100万ドル~150万ドル(約1億5300万~2億3000万円)。サザビーズはこの作品を「世界で最も悪名高いバナナ」と評している。
「コメディアン」はバナナ1本を壁に強力テープで貼り付けた作品。使われるバナナは展示のたびに交換される。
この作品の価値をめぐって美術界では意見が割れるなか、2019年に12万ドル(約1840万円)で販売されて論争が激しくなった。一部の批評家は、こうした作品が現代美術を風刺したものだと指摘し、芸術そのものの価値には疑問を投げかけている。
「コメディアン」は観覧客がバナナを食べてしまう「事件」でも話題になった。昨年、韓国のリウム美術館に展示された際、ソウル大美術学部生がバナナを食べ、作品毀損に対する批判が提起される一方で、芸術品破壊ではなくそれ自体が芸術だと擁護する見方も出ていた。
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