現場ルポ
韓国京畿道(キョンギド)果川市(クァチョンシ)のソウル大公園駐車場。今月中旬、3区域に分けられた駐車場のうち、2つの区域には車両1130台余りがぎっしりと駐車していた。今月8~9日に首都圏を襲った大雨で浸水し、保険会社に預けられた車両だ。保険会社の職員たちはテントとコンテナを設置して24時間交代で勤務していた。
サムスン火災、現代海上、DB損害保険、KB損害保険など4つの保険会社は9日から、ソウルと京畿圏で預かった浸水車両を、この駐車場に臨時に置いている。駐車場に集められた車両のほとんどは浸水が激しく、全損車両に分類された。
こうした全損車両は廃車場に送られるため、中古市場に出回る可能性はない――保険会社はこう口をそろえる。業界関係者によると、一部の浸水車両の場合、状態によっては海外の中古車市場に売却されることもあるそうだ。
10台に1台の割合で車にカバーをしたままで泥水に浸かったため、ほとんどが外観は比較的良好だった。一見すると、浸水車両であるとわかりにくかった。
各車両が被った被害は、車のフロントガラスに白い文字で記録されている。被害車両を受け付けた保険会社の職員が、ホワイトペンで窓ガラスに被害の程度を記録したものだ。エンジンがかかるか、電気系統は作動するか、浸水時に運転中だったか――などを記録する。駐車中に浸水した場合、上・中・下と水位を記録する。
高価な車両も目立つ。
外観だけでは浸水車両であることがわかりにくいポルシェSUVの窓ガラスには「エンジンがかかったり止まったりする」という文字がその被害の程度を示している。その向かい側に駐車している白いBMWセダンも外観に問題はなかったが、エンジンルームが浸水し走行が不可能になった。
ベンツSUV車の1台は外部が土で覆われ、すぐには車種がわからないくらいだった。
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