2025 年 2月 24日 (月)
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ソウル地下鉄の運賃値上げ、再び延期…「慢性的赤字」交通公社に打撃

ソウル市内の地下鉄駅(c)news1

韓国で3月に予定されていたソウル・仁川・京畿道の地下鉄運賃の値上げが延期されることになった。これは京畿道と道議会の対立により、関連議案の処理が遅れているためで、財政難に苦しむソウル交通公社の経営にも深刻な影響を及ぼしそうだ。

ソウル市のオ・セフン(呉世勲)市長は21日、市議会の本会議で「運賃値上げに支障が生じた。1~2カ月延期される可能性がある」と明らかにした。当初、ソウル・仁川・京畿道の3自治体と韓国鉄道公社(KORAIL)は、3月に地下鉄運賃を150ウォン(約17円)引き上げることで合意していた。しかし、20日に開かれた京畿道議会本会議では、運賃引き上げを含む11件の議案が上程すらされなかった。

この背景には、京畿道のキム・ドンヨン知事と道議会の対立がある。キム・ドンヨン知事は道議会の主要会派や議長との事前協議をせず、2025年度第1次補正予算案の編成や特別調整交付金の配分計画を進めたことから、議会側が強く反発し、議案の審議が滞った。

運賃値上げの延期により、慢性的な赤字を抱えるソウル交通公社の経営はさらに悪化しそうだ。2023年10月には地下鉄の基本料金が150ウォン引き上げられた。2024年後半に予定されていた追加値上げは、物価抑制政策を優先した政府の方針で見送られていた。

その結果、ソウル交通公社の2024年の純損失額(暫定決算)は7237億ウォン(約787億円)に達し、前年の純損失5173億ウォン(約563億円)から2064億ウォン(約225億円)も増加した。

もし今年3月に予定通り運賃が引き上げられていれば、ソウル地下鉄の運賃は1400ウォン(約152円)から1550ウォン(約168円)に上昇し、今年は1326億ウォン(約144億円)、来年以降は毎年1600億ウォン(約174億円)の増収が見込まれていた。

(c)news1

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