2026 年 4月 2日 (木)
ホーム社会ソウル地下鉄の赤字拡大…高齢者無料乗車が財政圧迫

ソウル地下鉄の赤字拡大…高齢者無料乗車が財政圧迫

(c)news1

ソウル地下鉄の累積赤字が約19兆7477億ウォン(約2兆1722億円)に迫る中、高齢者の無料乗車の増加が財政負担を一層押し上げている。

ソウル交通公社によると、2025年の当期純損失は8255億ウォン(約908億円)、累積欠損は19兆7477億ウォン(約2兆1722億円)に達した。負債は7兆7561億ウォン(約8532億円)で、負債比率は140.7%と地方公企業の基準(130%)を初めて上回った。

無料乗車による損失も急増している。2025年は4488億ウォン(約493億円)で、2021年の2784億ウォン(約306億円)から61%増加した。当期損失に占める割合も54.4%まで拡大している。

特に高齢者の利用増が顕著だ。無料乗車の高齢者数は2021年の約1億7077万人から2025年には2億4234万人へと増え、5年間で42%増加した。2025年の無料利用者全体のうち、高齢者は85%を占める。

一方、運賃を支払う乗客は減少傾向にあり、2019年と比べて2025年は8.8%減少し、収入増加が見込みにくい状況となっている。

現在、1人当たりの輸送原価は1817ウォン(約200円)に対し、平均運賃収入は1036ウォン(約114円)にとどまり、原価回収率は57%に過ぎない。乗客1人当たり約781ウォン(約86円)の赤字が発生している。

背景には構造的な問題もある。長年の運賃据え置きにより原価を下回る料金体系が続き、さらにバスとの乗り継ぎ割引による損失も拡大している。人件費や電気代、保守費など固定費が約9割を占め、コスト削減も難しい。

こうした中、無料乗車制度の見直しを巡る議論が再燃している。イ・ジェミョン(李在明)大統領は閣議で、通勤時間帯の高齢者無料乗車制限の検討を指示した。

ただし、生活に必要な移動まで制限される可能性があるとして慎重論も強く、賛否が分かれている。

ソウル交通公社は、全国の都市鉄道事業者や自治体と連携し、無料乗車による損失を国費で補填する法整備を進める方針だ。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular