ソウル地下鉄の基本料金が10月から150ウォン(1ウォン=約0.1円)、市内バスの基本料金が8月から300ウォン値上がりする。このほど開かれたソウル市物価対策委員会で、公共交通料金調整案が審議を通過した。ソウル市の公共交通料金引き上げは2015年6月以来。
市は当初、地下鉄も300ウォンの引き上げを検討したが、政府の物価施策への協力や他機関との協議などを総合考慮して、今年の引き上げを150ウォンにとどめた。ただし、残りの150ウォンは1年後に追加で引き上げる。
地下鉄とバスの運送赤字は増加しており、低出生と高齢化などで乗客が減ることなどを勘案すれば料金引き上げは不可避というのがソウル市の説明だ。
ソウル市関係者は「公共交通機関の深刻な運営赤字解消、過度な市財政負担の緩和、低い料金構造の改善、市民安全やサービス向上のための財源確保のためにどうしても引き上げは必要だ」と理解を求めた。
市によると、料金を据え置いている期間中に人件費・物価などの上昇で、乗客1人を輸送する度に発生する運送赤字が増加してきた。2021年現在、1人当たり地下鉄は755ウォン、市内バスは658ウォンだ。
ソウル交通公社の場合、負債が増加を続け、自助努力だけでは赤字解消が事実上難しくなっている。2022年時点で公社の累積赤字は17兆6808億ウォンに達する。
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