
ソウル市内の中高校で、ここ1年間にディープフェイク(深層偽造)を用いた性加害によって被害を受けた生徒が少なくとも55人に上ることが、11月20日に明らかとなった。中には、1人の加害生徒が7人にわたって性的な画像合成や発言で被害を与えていた例も含まれていた。
ソウル市議会教育委員会所属のイ・ヒョウォン議員(国民の力)が、ソウル市教育庁から提出を受けた資料により判明した。
調査によれば、2024年10月から2025年9月にかけて、学校暴力対策審議委員会でディープフェイクに関連する処分が下されたのは28件。このうち、被害生徒は55人、加害生徒は36人だった。被害者の学年別では、中学校11件、高校17件で発生している。
処分の内訳をみると、18件のうち生活記録簿(指導記録)に記載される「中重処分(5号以上)」がわずか9件。残りは軽微な処分、または処分なしだった。
一方、被害者への支援措置も不十分で、5段階ある保護措置のうち、3号(カウンセリングなど)が1件のみ、8件は最低レベルの1号措置(単なる関心表明)にとどまっていた。残りは何の支援もないという。
イ・ヒョウォン議員は「加害生徒への処分が軽すぎるだけでなく、被害生徒の保護措置が極めて不十分だ。これは事実上の二次加害に等しい」と強く批判した。
ディープフェイクを利用した性犯罪は、全国的にも増加傾向にある。
警察庁国家捜査本部によると、昨年11月から今年10月までの間に検挙されたサイバー性犯罪は3411件。そのうちディープフェイク関連は全体の35.2%にあたる1553件に上った。
この中で加害者の47.6%が10代であり、ディープフェイクに限れば、10代の加害率は61.8%(895人)にのぼっている。
今年10月には、ソウル市内の高校教室の共用パソコンから、女子生徒の写真をもとに作成された全裸合成画像や性暴力を予告する書き込みが見つかり、衝撃を与えた。
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