ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で29日午後10時過ぎ、道幅の狭い下り坂に大勢の若者が殺到し、折り重なるようにして倒れた。30日午前6時の当局発表によると、この事故で149人が死亡、76人が負傷した。
現場はバーなどの飲食店が立ち並ぶ狭い路地。現地警察によると、当時、梨泰院にはハロウィンを楽しもうとする市民が10万人以上集まったという。
梨泰院のハミルトンホテル近くの路地で、若者らが次々と転倒し、下敷きになった人が呼吸困難に陥ったとみられる。死傷者の多くが10~20代の若者で、死者の中には外国人2人いたという。
消防当局によると、29日午後10時15分ごろ、「人が下敷きになった」という通報が寄せられた。多くの人波に押されて下敷きになり、「助けてください」「とても痛いです」など悲鳴が上がっていた。
SNS上には、救急隊員らが負傷者に心臓マッサージを施す動画が投稿された。
梨泰院はクラブやバーなどが立ち並び、若者に人気がある場所だ。米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)の人気ドラマ「梨泰院クラス」の舞台にもなった。
事故現場は車1台がやっと通れるほどの狭い路地が続く。路地の両側に食堂と飲み屋が密集しており、多くの人が集まったようだ。
事故を受け、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は29日夜、緊急会議を開いて、救急・治療に万全を期すよう指示を出し、ハン・ドクス(韓悳洙)首相を本部長とする事故収拾本部が立ち上げられた。
30日未明には保健当局に災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣と近隣病院の病床を確保するよう指示した。
韓国で死者が100人を超える大惨事は、304人の死者・行方不明者を出した旅客船セウォル号沈没事故(2014年4月)以来。
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