2025 年 11月 16日 (日)
ホーム社会ソウルの動物園・クマが壁に頭突きという「異常行動」…「施設の老朽化と劣悪な環境」

ソウルの動物園・クマが壁に頭突きという「異常行動」…「施設の老朽化と劣悪な環境」

写真は記事の内容とは関係ありません(c)NEWSIS

ソウル市広津区にあるソウル子ども大公園の動物園で飼育されているクマが、囲いの壁に頭を打ちつけるような異常行動を繰り返していたことが明らかになり、観覧客から「衝撃を受けた」との声が上がっている。

ソウル市にこのほど寄せられた市民の民願(陳情)内容によるもの。投稿者は「クマやゾウが同じ動作を繰り返す『常同行動』(目的のないまま同じ動作・発声を繰り返す)をしていた。特にクマは壁に頭をぶつけ続ける姿を見て、本当に気の毒でショックだった」と記していた。

この状況について、ソウル子ども大公園の動物福祉チームも施設の老朽化と劣悪な環境を認めている。同公園の説明によると、クマやゾウなどが生活する「猛獣村」は2009年にリモデリングされており、当時は動物の生育環境よりも市民の観覧の利便性を優先して設計された。このため、現在では動物にとって適切な環境を整えるのが難しいとして「われわれとしても非常に心苦しい」とコメントしている。

現在、公園側では施設の全面再整備が必要だとし、それまでは動物行動の多様化を促したり、ポジティブ強化訓練などの福祉プログラムを継続してりしているという。

公園側は「常同行動は一度始まると改善が難しく、完全になくすことは困難だ。毎日、行動の多様化を図って、ほかの自然な行動を促し、動物が好む特別な餌を与えるようにしている。定期的な健康検診も実施し、細かく体調管理に努めている」と強調した。

ソウル子ども大公園では、動物園の再整備事業を前倒しで実施する方針を示している。当初、2030年以降に計画されていたが、老朽化した動物舎の改善を急ぐ必要があるとして「子ども向け教育を中心とした生態動物園への転換を進め、動物たちが幸せに暮らせる都市型動物園を目指す」と述べた。

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