
ソウルのマンション市場で、中型物件(専有面積85~102㎡)の平均売買価格が中大型物件(102~135㎡)を逆転し、その差が2億ウォン(約2122万円)を超えたことが明らかになった。人口構造の変化と住宅価格の高騰により、中型物件への需要が集中しているためと分析されている。
11月30日にKB不動産が発表した統計によると、2025年11月時点のソウルにおける中型マンションの平均売買価格は22億470万ウォン(約2億3399万円)で、中大型物件の20億407万ウォン(約2億1277万円)を約2億ウォン上回った。中型が中大型の価格を上回る傾向は2022年11月から続いており、直近ではその差がさらに拡大している。
この価格逆転の背景には、2~3人世帯の増加といった人口構造の変化がある。結婚後も子どもの数が少ない家庭が増え、広すぎないが使いやすい中型物件への需要が高まっている。また、最近の新築マンションではバルコニーの拡張やパントリー、ウォークインクローゼットなどで空間の実用性が向上しており、実際の生活面積では中型と中大型で大差ないという認識が広まっていることも要因の一つだ。
地域別に見ると、ソウルの江北(カンブク)14区では中大型物件の平均価格が14億2046万ウォン(約1億5080万円)で、中型(12億9725万ウォン=約1億3772万円)より高かった。一方、江南(カンナム)11区では中型(26億2906万ウォン=約2億7872万円)が中大型(24億2905万ウォン=約2億5758万円)を上回り、価格逆転がより顕著となっている。
江南地域は価格上昇の幅が大きく、購入希望者の資金負担も重いため、より手頃な中型への関心が高まったとみられる。
なお、135㎡を超える大型物件の平均売買価格は36億2830万ウォン(約3億8500万円)で、中型・中大型物件とは一線を画す価格帯を形成しており、独立した市場として動いている。
不動産業界関係者は「ソウルの住宅価格が大幅に上昇し、さらに融資規制も重なって中大型物件は購入資金の負担が増している。一方で、中型物件は実用性が高く価格面でも相対的に魅力的であるため、需要が集中した結果だ。135㎡超の大型物件は元々が高資産層を対象とした市場であり、別のトラックで動いている」と分析する。
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