ソウル市が市民とともに“隠れたホットプレイス”を発掘し、路地観光資源として商品化するプロジェクトを進めている。団体旅行から個人旅行へと変化する観光トレンドに合わせ、観光客がソウル各地で日常を体験し、特別な思い出を作る場を提供する狙いだ。
市によると、今年1月からスタートした「生活ホットプレイスおよび路地名所発掘事業」で、合計100カ所の「生活ホットプレイス」を選定した。これには48の「楽しむ場所」と52の「食べる場所」が含まれている。
これらは市内全25区に分布しており、例えば鍾路区では白沙室(ペクサシル)渓谷、中浪区では中浪バラ公園、瑞草区ではソウルウェーブアートセンターなどが挙げられる。飲食部門では広津区の「クレパス粉食(軽食店)」や江東区の「ユルベーカリー」などが選ばれた。
今回の選定には、国内最大級の旅行プラットフォーム「旅行に夢中」を活用し、9107人の市民が応募した。博物館や美術館、地域のカフェやローカルレストラン、祭りやパフォーマンスイベントなどに関する情報を集めた。応募総数は1212件に上り、最も多く推薦を受けた地域は鍾路区(217件)で、麻浦区(94件)と中浪区(80件)が続いた。
最終選定は、旅行クリエイターや作家ら17人の専門家で構成された選考委員が、書面審査と現地評価を実施した。地域の独自文化を反映し、特化した魅力を持っているかを最優先基準とし、さらにアクセスの良さや周辺の商圏との調和、将来の成長性も考慮して決定された。
ソウル市がこのプロジェクトに着手した背景には、観光の新しい需要を見越した戦略がある。市関係者は「観光地として有名な場所よりも、地元住民のライフスタイルを体験できる空間が、現代の旅行者にとって魅力的だ」と説明している。生活ホットプレイスを活用した観光商品を開発し、路地周辺の工房や旅行会社と協力して体験プログラムを運営する予定だ。
(c)MONEYTODAY