2000年代以後のソウルと東京の都市空間政策を総合的に比較した分析書「ソウルが見た東京 東京が見たソウル」(ヤン·ジェソプほか著、ソウル研究院、1万8000ウォン)が発行された。
ソウルと東京は人口1000万人以上の大都市であり、それぞれ25と23の区を置いている。したがって、大都市レベルで効率的かつ一貫性のある都市管理が必要であるが、地域の特性と住民の需要を反映した区レベルの都市計画も求められる。
分析書は大きく二つの部分から成り立っている。
第1部では、2000年代のソウルと東京の社会空間変化と都市空間政策を比較し、両都市が時期別にどのような変化過程を経たのかを調べた。また、都心部と住居地の再開発(再生)事例を分析した。
ソウルは2000年以降、東京の都市空間政策を検討し、大都市圏での空間体系構築、都市計画の柔軟な適用、民間デベロッパーの役割などをベンチマーキングした。
「ソウルは2000年代以降、3つのビジョンを掲げた。その実現手段は、大規模開発と規制緩和から小規模開発や空間の質的管理に転換したが、その理念は“均衡発展”という共通点を持っている」(128頁)
半面、東京はソウルの原則ある都市計画制度運営と公益を追求する公共の役割に注目した。
第2部では分権化と区の都市計画、線的な都市再生、超高層マンションと、住居と商店の複合マンション、地域間の格差、高齢化、交通政策など6つの課題別に都市政策について考察した。
高齢化はソウルと東京の代表的な共通課題だが、高齢化の進行状況と地域分布、政策対応など大きく3つの側面で違いがある。高齢化を先に迎えたのは東京だが、さらに速いスピードの高齢化しているのはソウルだといえる。
ソウルの高齢化政策はベビーブーム(1955~63年生まれ)の「高齢世代入り」を前にし、満65歳以上に焦点を置いている。一方、東京では、団塊世代(1947~49年生まれ)が75歳以上の後期高齢者になるという課題への対応を準備している。
本書の最大の特徴は、ソウル研究院と日本の東京都立大学などの研究者12人が、2000年以降のソウルと東京の課題別都市空間政策を比較した後、「ソウルが東京に」「東京がソウルに」必要な部分を政策的に提言したという点にある。
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