
韓国で、広い売り場に医薬品や健康食品を大量陳列する「倉庫型薬局」が各地で増えている。価格の安さや選択肢の多さから消費者の間では好意的な反応が広がる一方、医療界からは薬の過剰購入や乱用を懸念する声も上がる。
今月だけでもソウル市内で2店舗が新たに開業した。2日に衿川区の大型マート内、7日には龍山区の電子商街内にオープン。2025年6月に京畿道城南市で初めて登場して以降、徐々に広がりを見せている。
12日午後に訪れた龍山区の店舗は、従来の薬局というより大型スーパーに近い印象だった。約2600平方メートル(約800坪)の広さを誇り、胃腸薬や風邪薬、総合ビタミン、ミルクシスルなどが種類別に並ぶ。人気の子ども用消化薬は品切れになっていた。
買い物客はショッピングカートに常備薬や健康機能食品を入れ、比較しながら商品を選んでいた。迷っていると店員が薬剤師を呼び、効能を説明する姿も見られた。
訪れた客の多くは「価格が安い」との評判を聞いて来店したという。実際に割安感を実感しているとの声が目立つ。
ソウル市城北区から来た51歳の男性は「普段は鍾路5街の薬局を利用しているが、3万3000ウォンほどの薬がここでは3万ウォンだった。普通の薬局は薬剤師が出して終わりだが、ここは選択肢が多い」と話した。
京畿道高陽市在住の62歳の男性も「普段利用している安い薬局より平均的に安い」と語り、旧正月を前に常備薬や健康食品など計13万ウォン分を購入したという。
合理的な価格と豊富な品ぞろえを評価する声がある一方、専門家は注意を呼びかける。薄利多売の構造が不必要な薬の購入を促しかねないという懸念だ。
ある薬学部教授は「消費者の選択権は重要だが、薬は疾病治療や健康増進という公共性を持つ。無分別な乱用や廃棄薬の問題が生じる可能性がある」と指摘する。医学部の教授も「価格が安いと一度に多めに購入しがちだが、薬には使用期限がある。その都度必要な分だけ買うのが望ましい」と話す。
同じ目的の薬でも成分や含有量は異なる。専門家は「血圧薬や関節薬など効能が似ていても成分は違う。人によって作用も異なるため、購入前に必ず専門家に相談すべきだ」と強調する。
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