現場ルポ
韓国釜山(プサン)市江西区のセムルモリ三角地(サムガクチ)に位置する「エコデルタシティ(EDC)スマートビレッジ」。ここは釜山市と国土交通省、韓国水資源公社(K-water)が手を結んで、各種未来革新技術を実証するために、昨年12月に竣工した全国初の公共スマート村だ。未来住居のリーディングモデルになるEDCスマートシティの初入居団地だ。約2万1000平方メートルの面積に計56世帯のスマート住宅が位置している。供給面積52~93平方メートル、125~155平方メートルの2階建てが19世帯、3階建てが37世帯だ。ここには現在200人余りの住民が居住している。
スマートビレッジ住宅をはじめ、ロボットカフェ、AI体育センター、ウェルネスセンターなどコミュニティセンター内の施設を見学し、直接体験してみて、実際に居住している住民と一緒にここで生活しながら感じた点について話を交わした。
◇ロボット・AI…未来技術「スマートコミュニティセンター」に集まる
スマートビレッジに入って初めて訪問したのはロボットカフェやAI体育施設、ウェルネスセンターなどが入ったスマートコミュニティセンター。
センター入り口の隣の駐車場に掃除ロボットが見える。K-water職員がリモコンで電源を入れると、掃除ロボットが道路に出てきて掃除をし始める。道路と歩道の間に来ると、ロボットの下段部で回転中の円形のブラシが上がる。記者がロボットに近づくと、すぐに止まった。まるで住居空間でよく見るロボット掃除機が村で歩き回る感じだった。
K-waterのキム・ユンハ技術次長は「今後、掃除だけでなく、上段部に設置された5世代移動通信(5G)受信アンテナと4K(4000ピクセル解像度)カメラで周辺を見て回り、何かあった時には外部に知らせる機能まで加えようとしている。まだプロト(初期)タイプで製作されたので、路面が濡れた時に運行できないなど制約はあるが、引き続き高度化して補完する予定」と説明した。
掃除ロボットを後にしてコミュニティセンターに入った。センター入口の右側にはスマートカフェが設けられた。ロボットアームがコーヒーを自分で作ってお客さんに持ってきてくれる。記者がキオスクでアイスアメリカーノを注文したところ、1分でコーヒーがさっと出てくる。普通のカフェで作られたコーヒーと比べても遜色のない味だ。
2階のAI体育センターに入ると、レットプルダウン(Let Pull Down)、レッグプレス(Leg Press)など10余りの運動器具とともに、各器具ごとに設置された10インチのモニターが目につく。入居者につけられた4桁の固有コードを記入すれば、現在の体の状態とともに今後どのような運動をすればいいのか詳しく知ることができる。K-water職員がレットプルダウンについたバーを握って引っ張ると、モニターで1回ずつ記録される。一定の長さ以上引っ張らなかったらモニターには「BAD」という文句が出る。
体育施設に隣接して設けられたウェルネスセンターには、看護師が常駐しており、各種遠隔医療施設が備わっている。ここにいる看護師は、スマートビレッジ内の入居者が家で簡単に測定したデータを管理し、高神(コシン)大学病院とデータを共有する。入居者はセンターに設けられたモニターを通して、遠くの病院まで行かなくても、自分の症状を医師に伝えながら診療を受けることができる。
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