韓国の大手半導体メーカーであるサムスン電子とSKハイニックスが、車両用メモリ市場で激しい競争を繰り広げている。自動車の人工知能(AI)や自動運転技術の発展に伴い、高性能で大容量のメモリが求められており、その需要に対応するため、両社は車両向けメモリの開発と供給に力を入れている。
英調査会社オムディアによると、車両用メモリ市場は2022年の約8.4兆ウォン(約9000億円)から年平均15.5%成長し、2028年には約17.2兆ウォン(約1兆8500億円)に達する見通しだ。車両1台あたりのNANDフラッシュメモリの容量は、2022年の71.3GBから2028年には約288GBにまで拡大すると予想されている。
サムスン電子は、8世代目のV-NANDを搭載した車両用SSD「AM9C1」の量産準備を進めており、2024年初頭には2TBモデルの生産も予定している。さらに、低消費電力DRAMやUFS 3.1などの車両用メモリもすでに供給しており、2026年までに次世代のeMRAM(埋め込み型MRAM)の量産も目指している。
一方、SKハイニックスは、HBM(高帯域幅メモリ)技術を強みに、車両用HBM市場の開拓に注力しており、米アルファベット傘下の自動運転車部門であるウェイモと協力して、HBM2Eのテストを進めている。
SKハイニックスはまた、自動車向けの電力半導体ソリューションも提供し、エネルギー効率を向上させる製品を開発している。
両社とも、車両用メモリ製品の国際的な信頼性認証を取得することで、顧客基盤の拡大に努めている。車両用メモリは過酷な環境でも安定した性能が求められるため、サムスン電子とSKハイニックスは、各種認証を取得し、製品の信頼性を確保している。
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