SNSを中心にショート動画が流行するなか、過剰なドーパミン分泌による依存が問題視されている。これを受けて韓国では、20~30代を中心にスマートフォンやSNSの利用を控える「ドーパミン・デトックス(解毒)」の動きが広がっている。
ユーチューブのショート動画にハマっているソウル市道峰区(トボング)の20代の会社員は「手軽にストレスを解消できる一方で日常生活の妨げになることが多い」と話す。麻浦区(マポグ)に住む別の20代会社員も、仕事後の大半の時間をインスタグラムのショート動画視聴に費やしており、「一度見始めると2~3時間があっという間に過ぎる」と語った。
ドーパミンは脳内で分泌される神経伝達物質で快楽や幸福感をもたらすが、過剰な分泌は依存を引き起こす要因となる。このため若者の間でスマートフォンの使用時間を制限し、SNSの利用を控える試みが広がっている。
「ドーパミン・デトックス」の一環として読書カフェや読書会の人気が高まっている。入店時にスマートフォンを預けるルールを設けた読書カフェも話題だ。前出の道峰区の会社員も最近は地元の図書館で本を借りて読書に励んでいる。麻浦区の会社員は、スマートフォンの使用時間を減らし、退勤後に30分間の散歩を習慣づけることにした。
全北(チョンブク)大学社会学科のソル・ドンフン教授は「現代人はテレビや音楽を楽しみながらもスマートフォンを手放せない。デジタル機器から離れ、自分の活動に集中することが依存解消の鍵となる」と指摘している。そのうえで「若年層はエネルギーが多い分、疲れやすく、ストレスを受けやすい。現実世界での疲労を軽減し、乗り越える工夫が必要だ」と強調した。
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