
白くふわふわした毛並みに黒く澄んだ瞳。まるでぬいぐるみのように可愛い「レオン」は先月、ソウル市江南区で保護された推定2歳の雄の捨て犬だ。人の姿を見ると駆け寄って膝にちょこんと乗り、顔をスリスリしてくる。だが、そんな姿からは想像できない過酷な過去があった。
ソウル動物福祉支援センターによると、レオンは劣悪な状態で保護された。長期間手入れされていないため毛は絡まり、顔の輪郭が判別できないほどに汚れきっていた。また、歩くことすら困難なぐらい、やつれ果てていた。
その時期、同じような状態の小型犬が近くで立て続けに19匹も見つかった。いずれも長期間放置されていたらしく、アニマルホーダー(過剰に飼育して世話できなくなる人)や違法繁殖業者が遺棄した可能性が高い。現在、ソウル市の民生司法警察団が捜査している。
そんな過去を背負いながらも、レオンは「人が大好きな犬」であり続けている。人に寄り添い、顔をこすりつけて愛情を示す。
センターの健康診断では、前歯3本が欠けている以外は大きな異常もなく、すでに去勢手術も済んでいる。活発で好奇心旺盛だが、過度に興奮することはなく落ち着いている。
センターの関係者は「レオンの目を見ると、どれだけ愛情に飢えていたか分かる。これからは遊ぶ楽しさや世界の温かさを学んでいけるよう、愛を持って迎えてくれる家族が現れることを願っている」と語った。
(c)news1