
韓国で物価高の長期化に加え、コーヒー豆の価格が急騰する中、韓国のカフェ経営者たちの悲鳴が上がっている。原材料費の負担に耐えられず、閉店する店舗も増加している。
業界関係者によると、昨年から始まった「コーヒープレーション(コーヒー+インフレーション)」の影響で、消費者がコーヒー購入を控えている。これがそのままカフェの売り上げ減少、閉店、創業縮小につながっているという。
食品産業統計情報によると、代表的なコーヒー豆の品種であるロブスタ種は、今月12日に1トンあたり5817ドルで取引され、1年前より約70%も上昇した。アラビカ種も今月13日には1トンあたり9675ドルと、過去最高値を更新した。
ブラジル(アラビカ種の世界生産の60%以上を占める)とベトナム(ロブスタ種の主要生産国)で昨年、異常気象による干ばつが発生し、生産量が20~30%減少したことが価格高騰の主因とされている。さらに、トランプ米政権の関税政策の影響もあり、今年も価格が上昇する可能性が高いとみられている。現在流通しているコーヒー豆の多くは、昨年契約された価格が適用されている。
大手カフェブランドは相次いでコーヒー価格の値上げを決めたが、中小の個人経営カフェは、価格を上げるか、原材料費を負担するかの狭間で苦しんでいる。
ソウル市龍山区で約10坪のカフェを運営するA氏は「アメリカーノ1杯に使用するエスプレッソ2ショットの価格が、昨年初めは500~600ウォンだったが、下半期から今年1月にかけて800~900ウォンにまで上昇した。その結果、利益が出なくなり、店を閉める人が増えている」と語った。さらに、「高品質の豆を使っていると宣伝してきたが、もう少し安い品種に切り替えて価格負担を抑えるべきか悩んでいる」と打ち明けた。
韓国信用データが発表した小規模事業者向けレポートによると、昨年第4四半期のコーヒー専門店の売り上げは9.5%減少した。一方、同期間に一般飲食店の売り上げは増加し、ファストフード店やバーなどの売り上げ減少幅は1%台にとどまっている。
全国的にカフェの数が飽和状態に達し、競争が激化する中、経営難に陥る店舗が増えている。特に、低価格カフェブランドの台頭により、小規模な個人経営カフェが淘汰される傾向が加速している。韓国で「低価格コーヒーの3大ブランド」とされる「メガコーヒー」「Paik’s Coffee」「コンポーズコーヒー」の店舗数は、昨年約8000店に達し、4年半で2倍に増加した。
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