
韓国のビューティー市場で「コストパフォーマンス」重視の流れに変化が見られる。価格が高くても効果を優先する消費者が増加し、ラグジュアリー・プレミアム化粧品ブランドが人気を集めている。
韓国のヘルス&ビューティー小売大手CJオリーブヤングが2023年に開設したプレミアム化粧品専門コーナー「LUXE EDIT」の今年の累計売り上げは、7月17日までの時点で前年同期比53%増を記録した。
LUXE EDITには、雪花秀、エスティローダー、キールといった定番ブランドのほか、新進のラ・ブルケット、オラプレックス、シミヘイズビューティなども入店。ランコム、サボン、ケラスターゼなどの新規入店も続いている。
新世界インターナショナルが展開するプレミアムブランド「YUNJAC」は、今年上半期の売り上げが前年同期比81.6%増加。6月単体では2倍以上(104%)の成長を見せた。同期間に、ヴィーガン志向の「アワーグラス」は11.7%、ラグジュアリーメイクアップブランド「ローラメルシエ」は32.5%の成長率を記録した。
新世界側は「高級バッグや高価な衣類よりも手が届きやすい価格帯で、心理的な満足感と高品質な体験を得られる“スモール・ラグジュアリー”の代表格として、高価格帯化粧品が人気を集めている」と説明する。
YUNJACが展開する最高級アンチエイジングライン「アルファナクス」は、通常より2倍以上の価格帯にもかかわらず、5~6月の売り上げが前年同期比で11倍に急増。これを受けて「アルファナクス エッセンストナー」や「アルファナクス パウダーパクト」など新製品も発売された。
また、LFが展開する「athe」は「効果優先主義」を掲げ、プレミアム・ヴィーガンビューティーへブランドを再構築。今年上半期の「サンケア」製品売り上げは前年比20%増、特に「サンクッション」は約400%も伸びた。
「雪花秀」も主力の「潤燥(ユンジョ)エッセンス」と「滋陰生(ジャウムセン)ライン」の活躍で、第1四半期の国内売り上げが2桁成長を記録。百貨店やECなど主要チャネルでは10%の成長率となった。
業界関係者は「これまでK-ビューティーはコスパで注目されたが、今や“効果”や“ブランド体験”への期待が高まっている」と述べ、プレミアム戦略を打ち出すブランドが増えていると語る。
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