
カンボジア行きの韓国人若年層が急減している。韓国・仁川国際空港では、カンボジアで相次ぐオンライン詐欺事件への関与を防ぐため、警察が若者を中心に「不意の検問」を実施している。
10月21日午後、仁川国際空港第2旅客ターミナル263番ゲート前。プノンペン行き大韓航空機(KE689)の出発を控え、搭乗口には韓国人と外国人乗客が入り交じって集まっていた。旅行会社を通じて観光に向かう中高年層が目立った一方、20~30代の単独男性客は明らかに減っていた。
現場の警察によると、カンボジアのボイスフィッシング組織への関与報道が相次いで以降、以前は100人前後だった若年層の出国者が30人ほどに減少したという。
外務省の要請を受けて仁川空港警察団が同日、韓国人乗客への聞き取りを実施した。放送で「韓国人乗客へのインタビューにご協力ください」と呼びかけ、乗客の列を韓国人と外国人に分けて誘導。警察官は旅行目的や宿泊先を尋ね、携帯電話で実際の予約確認をした。特に単独で出国する若い男性には詳細な質問が続いた。
プノンペン行き乗客の多くは「ビジネス目的」と答え、「現地に会社がある」「仕事のため頻繁に往来している」と説明する者もいた。警察は会社名や名刺を確認し、虚偽の説明がないか慎重にチェックした。ある警察関係者は「不意の検問では、答えられない人や話が食い違う人がいるが、今回は特に問題のある乗客はいなかった」と語った。
同関係者はまた、「もし不審な人物がいれば出国場外での調査が必要になるが、その際の説得には時間がかかる。本人に容疑を知らされていないため反発もある。搭乗後の調査では出発が遅れるため、他の乗客から苦情が出ることもある」と明かした。
仁川空港警察団は10月15日からカンボジア行き旅客を対象に検問を実施しており、これまでに4件の出国を制止した。対象者に対する内偵が進行中で、犯罪への関与があったかどうかを確認している。
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